臨時議会（令和５年２月16日）

津和野町臨時議会の開催をお願いし、令和4年度補正予算について承認を頂きました。
商業施設建設のための測量関係事業費として80万円を計上したものです。

この度の商業施設の建設につきましては、令和2年に日原地区中心地域の自治会より要望を頂いたことに始まります。
人口減少とともに、生鮮食料品を扱う小売店舗が年々減少し現在では「ニチマル」ひとつのみとなったこと、その「ニチマル」においても経営者が高齢化する一方で後継者がおられないことから、近い将来に存続が危惧される状況にありました。
日原地区中心地域の住民の皆さまは、唯一のスーパーがなくなる事態となれば、買い物難民が数多く発生することを心配され、今のうちに対策を打ってほしいとの要望を地区内自治会長連名のもとで町に対して行われたしだいです。
合わせて町議会に対しても請願がなされ、委員会審査などの慎重審議を経て、採択されております。

町としても、日原地区中心地域から生鮮食料品を扱うスーパーがなくなれば、周辺部も含め高齢者を中心に大きな影響が生じることを深く受けとめ、対策に乗り出しました。
しかしながら、「ニチマル」の存続を前提とした後継者確保策や「ニチマル」に変わる新しい事業者の誘致など様々な活動を行ったものの、人口減少が更に進むことが予想される中で、商圏の縮小による採算面や働き手の確保に対する懸念などを理由に、解決に至らないまま年月が経過いたしました。

そこで次の手段として、町が商業施設を建設し、運営を民間事業者に任せる公設民営方式にて行うことに方針変更を行い、初期投資の負担をなくすなどの対策をとりながら新しい事業者を探す取り組みを行いました。
残念ながらそれでも進出をして下さる事業者が見つからない状況が続いておりましたが、こうした中で、山口県防府市に本社を置く株式会社丸久が受諾して下さったのが経緯です。

丸久は山口県を中心に福岡県や広島県にも店舗展開されている信頼のおける企業ですが、これまで津和野町と連携して山口県内の店舗において「つわのフェア」を行ってきたつながりや、人口減少による地方の課題を本町以外の地域でも認識してこられた中で、地方創生の一環としてモデルとなるような社会貢献を兼ねた事業を行いたいとの考えからご英断を頂きました。
このことから、単なるスーパーの継続という視点だけに留まることなく、福祉や農林業、防災等の地域活性化を見据えた包括的連携協定を丸久と町とで締結する予定としております。

新しい商業施設については当初、現「ニチマル」の近隣に建設する計画で各種調査を進めてまいりましたが、候補地の地盤の問題や物流及び交通の事情等により断念せざるを得ない状況となり、町議会のご意見も真摯に受けとめながら、最終的に現役場本庁舎道路向かいの駐車場（日原診療所、消防分遣所隣の敷地）の一角に建設することと決定しております。

場所の選定に当たっては、日原地区中心地域の賑わいや活性化を考慮する重要性を認めておりますが、先に申した理由や周辺部も含めた日原地区全体の買い物の利便性を考慮した時に、最終決定地がベストな選択と判断いたしました。
人口減少が続くと予想される中で、新しいスーパーが永続的に営業して頂くことが最も重要であり、そのことを最優先に考慮した中での判断でもあります。
場所の選定については、町民の皆さまそれぞれにご意見があるかと思いますが、日原地区にスーパーを存続させることが最も優先させるべき判断基準であり、これまで問題の解決に試行錯誤を繰り返してきた中で、残された唯一の方策であると受けとめておりますことを、ご理解頂きたいと願っております。

これまで徒歩圏内で買い物をされてきた皆さま、特に高齢者の方にとって新しいスーパーが遠方となってしまう状況においては、移動手段の心配をされるものと予想されます。
こうした中、これまで買い物支援センター事業等において取り組んできた経験値は、解決を図る上での重要な財産になると思っております。
今後、住民説明会等を開催してまいりたいと思いますので、様々なご意見や心配事をお聞きしながら、その他交通システムの再構築も含め、きめ細かく対策を講じてまいりたいと思っております。

また、日原中心地区の活性化ということについて、スーパーが離れることを通して厳しく受けとめられる皆さまも多いと思っております。
地域振興に主体的に取り組もうとされる尊いお気持ちが維持されて行くよう、自治会やまちづくり委員会、日原商工業振興会をはじめとする意欲を持った皆さまと、今後もより一層の連携を図りながら、地域づくり活動を協働して行く努力をしてまいりたいと思っております。

今後のスケジュールとしては、新しい商業施設を令和６年３月までに完成し、その後現在の「ニチマル」から移行して、買い物体制がスムーズに継承されて行くよう進める予定としております。