古川聡JAXA宇宙飛行士による講演会を津和野体育館にて開催いたしました。
日原天文台が開台40周年を迎え記念事業として実施したものです。
昭和60年(1985年)にオープンした日原天文台は、一般公開されているものとしては当時最大級の75cm反射望遠鏡を擁しておりました。
ハワイにある「すばる望遠鏡」の約10分の1のサイズで、試作鏡を使ったものでしたが、研究者でなくとも子どもや一般の人が大きな望遠鏡で宇宙を覗くことができるのは画期的でありました。
建設当時の日原町木村治町長は、「自然と同化する機会が少なくなっている子どもたちが天体に興味を持つことは、科学する心を呼び起こし、天体の不思議さの中に薄れかけている自然への畏敬の念を有することにつながる」(要約)との思いを自身の著書において語っておられます。
その後昭和61年、同敷地内に「ペンション北斗星」が開業、平成元年には天文資料館「ポランの広場」が開館、そして平成6年には「星と森の科学館」が開館し、現在に至るまで、天文台は多くの人々に教育やレクリエーションの場として親しまれてまいりました。
古川聡宇宙飛行士の講演は40周年に相応しい事業であり、ご多忙の中遠路お越し頂いたことに深く感謝いたします。
お話の内容も、宇宙ステーションでの仕事や生活、余暇などの活動のことや宇宙飛行士になるための道筋、宇宙旅行の現状など、とても興味深く楽しく拝聴いたしました。
また宇宙ステーションから撮影した世界各国の写真はとても美しくロマンを感じるものでありました。
質問タイムでは、子どもから大人まで本当に多くの方々(おそらく13人)が質問されましたが、質問者それぞれの前まで古川さん自らが出向き、目を見て質問を聞いた上で丁寧に回答され、最後は握手をして次の質問者へと移る連続であり、その光景を見ながら、本当に素晴らしい方に講師としてお越し頂いたことを有難く感じたところであります。
親子連れの方々もたくさんお越し下さっておりましたが、特に子どもたちには夢と希望を持つことの出来る貴重な機会になったと思っております。
当日は、山崎直子元JAXA宇宙飛行士によるビデオレターでのメッセージを流しましたが、わざわざ津和野町のために収録を頂き感謝しております。
同時開催のSORA―Q(月に降りたロボット)の操縦体験ともども、ご来場頂いた方々からはご満足頂いた声を多数頂戴し、開催の意義を感じる記念事業となりました。