全国伝統的建造物群保存地区協議会総会・研修会が京都市で開催され、出席してまいりました。
当会は文化庁より伝統的建造物群保存地区の選定を受けている全国106の市町村(129地区)で組織され、伝建地区の普及啓発や職員の資質向上を図る研修会などを実施されております。
津和野町も平成25年に殿町通りと本町通り界隈が選定を受け、当会に加入しております。
毎年開催される総会・研修会にはこれまで教育委員会の担当職員が参加しておりましたが、この度は伝建制度創設50周年の年であり、翌日には文化庁主催の記念シンポジウムも計画されていたことから、初めて出席いたしました。
総会に続く記念講演では、「伝建地区の50年これまでとこれから」と題して大阪市立住まいのミュージアム増井正哉館長(京都大学・奈良女子大学名誉教授)によるお話がありました。
続く首長サミットでは、京都大学大学院中嶋節子教授のコーディネートのもと、昭和51年に国が初めて重伝建に選定した7地区の首長として、田口知明仙北市長(角館地区)、向井裕明南木曽町長(妻籠宿地区)、成原茂白川村長(荻町地区)、田中文夫萩市長(堀内地区・平安古地区)、松井孝治京都市長(産寧坂地区・祇園新橋地区)のパネリストによるそれぞれの地区での取り組みに関するお話を聞きました。
尚、翌日の文化庁主催による伝統的建造物群保存地区制度創設50周年記念シンポジウムでは、國學院大學下間久美子教授による基調講演の後、前日の5市町村(7地区)から伝建地区を守り活かす取り組みをされている民間組織の代表の方々がそれぞれ発表されました。
2日間にわたり、行政と民間の取り組みがそれぞれに、そして連携して展開されている事例を聞きながら、津和野町の取り組みにおいてとても参考になるものでありました。
特に全ての自治体において伝建地区の防火対策に力を入れるとともに住民と連携した消防・防火訓練を実施されており、本町において学ばなければならないと受けとめております。
そして7地区共通して、伝建地区を活用し観光振興に成果をあげるとともに、長年にわたり新たに生まれる課題の解決と街並みを守る活動にも精力的に取り組んでこられております。
また今後の50年に向けても持続可能を意識した更なる発展へとつなげて行く意欲を力強く語っておられました。
本町においても、重伝建地区としての誇りをもとに、より一層の観光振興に取り組み住民の皆さまに効果を実感して頂きながら理解を深め、更なる街並み保存と活用へ官民協働にて進んで行くよう努めてまいりたいと思っております。