島根県立津和野高等学校の入学式が行われ、来賓としてお招きを頂き「出会い」の大切さについてお話し、新入生の皆さんにエールを送りました。
本年は定員いっぱいの80名の皆さんが全国より集まり入学されており、大変にうれしく思っております。
それぞれ違った地域や家庭の中で成長してこられたお一人お一人は違った人間性を有しております。
様々な個性をもった方々が津和野高校で出会い、お互いに人間力を高めあって行く、それが全国から生徒が集まる津和野高校の魅力の一つであると思っております。
また、津和野高校では生徒が地域に出かけて、住民と交流することを通して、社会性や生きる力を養うことにも力を入れておられます。
本町には生徒を受け入れる暖かい人たちが数多くおられ、3年間を通して授業やつわの学びみらいの事業などに積極的に参加して頂きたいと願っております。
そして更に、出会いとは今を生きる人たちとの関係性だけにとどまるものではありません。
本町からは森鷗外や西周をはじめ偉大な先人たちを輩出しており、そうした人物像を深く知ることができるのも本町で学校生活を送る特権だと思います。
現代は情報技術の進展が目覚ましく、今後はAIが社会を変革して行くと言われております。
社会が発展をして行く上でそれは大事なことであることは言うまでもありませんが、同時にそれを使う人間が正しい心を持っていないと世の中が誤った方向へ進んでしまいかねないと懸念しております。
正しい心とは、道徳心や倫理観を持つことであり、西周や森鷗外はそうした人間力を自らが身につけるとともに、歴史上において多くの人間に啓発を与えてきた人物として知られております。
これから情報化社会が進展すればするほどに、正しい心をもった人間が求められ輝きを発すると信じており、西周や森鷗外を学ぶことにより養われて行くと思います。
そして本町にはその他にも、空想することを大切にされた画家の安野光雅先生、社会問題の本質を見抜く力をもった写真家の桑原史成先生など、学ぶべき多くの人材がおられます。
津和野高校には人間として成長して行く上で素晴らしい環境が整っており、新入生の皆さんにはこの素晴らしい舞台で、多くの人と出会い、自らを磨き上げて頂きたいと願っております。
桜が満開となる春らしい気候の中で、はつらつとした生徒の皆さんとご家族関係者のご出席のもと開催された気品ある入学式に、出席できたことを感謝申し上げます。