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津和野弥栄神社の鷺舞ユネスコ無形文化遺産登録記念式典(令和5年11月19日)

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津和野町主催にて「津和野弥栄神社の鷺舞ユネスコ無形文化遺産登録記念式典」を開催しました。
ご来賓として島根県松尾紳次副知事をはじめ多くの皆さまにご出席を賜り深く感謝いたします。

既に多くの皆さまに知って頂いておりますが、津和野弥栄神社の鷺舞が、昨年11月30日に、全国に残る「風流踊」の一つとして、他の全国40の国指定重要無形民俗文化財とともに、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。

風流踊は、華やかな、人目を惹くという「風流」の精神を体現し、衣装や持ち物に趣向をこらして、歌や笛、太鼓、鉦(かね)などの囃子に合わせて踊る民俗芸能です。
そこには、防災や死者供養、豊作祈願、雨乞いなど安寧な暮らしを願う人々の祈りが込められており、祭礼や年中行事などの機会に地域の人々が世代を超えて参加されます。
それぞれの地域の歴史と風土を反映し、今日まで続く風流踊は、地域活性化にも大きな役割を果たしており、まさに津和野弥栄神社の鷺舞はそれを象徴しているとも言えます。

16世紀の津和野城主吉見正頼が、京都から山口に伝わっていた祇園会の鷺舞を津和野に取り入れたことに始まる津和野弥栄神社の鷺舞は、近世以降、現在まで津和野の人々によって継承されてきた神事です。
伝統的に毎年7月20日と27日に執り行われ、津和野を代表する民俗芸能の一つでありますが、その価値は古くから広く認められており、昭和48年に「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選ばれ、平成6年には国の重要無形民俗文化財に指定されております。

そしてこのたび、ユネスコ無形文化遺産に登録されたことで、世界に誇れる文化財として、その価値が更に多くの人に知られることになりました。
津和野弥栄神社並びに鷺舞保存会をはじめ関係者の皆さまに改めてお祝いを申し上げます。

また、平成27年に認定を受けた日本遺産「津和野今昔~百景図を歩く~」では、鷺舞と弥栄神社が重要な構成文化財として位置づけられております。
私たちの大切な歴史文化遺産として次代へ受け継がれて行かなければなりませんが、この度、弥栄神社鳥居の修復が、町と関係者が一体となって多くの皆さまのご支援を頂き、完成したことは重要な歴史の一コマにもなると喜んでおります。

式典終了後には、鷺舞モニュメント広場に会場を移し、鷺舞の特別披露を保存会の皆さまに行って頂きました。
夏の暑い時期とは違い秋晴れの好天の中で実施された鷺舞も素晴らしく、改めてユネスコ登録の価値を堪能しました。
多くの観光客の皆さまにも一緒に鑑賞頂きましたが、多くの方々が盛大な拍手や感嘆の声を挙げられており、誇らしい思いでありました。

今年6月には世界遺産厳島神社において鷺舞が奉納され、全国的にも大きなニュースとして取り上げられました。
当日は津和野街道を通じた連携協定を広島県廿日市市、吉賀町と津和野町で結ばせて頂きましたが、そうしたご縁もあり、当日は廿日市市からもご来賓としてお越し頂いており、廿日市地区まちづくり協議会のお取り計らいにより、佐方獅子舞保存会による獅子舞披露を鷺舞に先立って行って頂きました。
普段本町では見ることのない獅子舞を、会場に居た子どもたちをはじめ多くの皆さまが楽しんでおられ、この度の祝賀行事に花を添えて頂いたことへ、心から感謝申し上げます。

この度のユネスコ無形文化遺産への登録は、500年以上にわたり津和野の地において受け継がれてきた歴史への評価とも言えますが、それは鷺舞保存会のみなさまによる長年にわたる日々の練習の積み重ねの結果であり、合わせて弥栄神社と鷺舞を見守り、支援してこられた多くの方々のご尽力の成果であると思います。

本町の誇る民俗芸能であり重要な文化財である鷺舞が末永く保存・継承されますことを願うとともに、行政の立場からも、子どもたちへのふるさと教育の推進による後継者の育成を図るなど、微力ながら支援をさせて頂きたいと考えております。

鷺舞 鷺舞

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