「Lady go ~Tsuwano~」より本町の定住促進業務として取り組んで頂いた1年間の活動報告を行って頂きました。
「Lady go ~Tsuwano~」は、平成28年より始まった津和野町女性会議を出発点とした組織です。 本町の人口減少は国勢調査の度に高い減少率を示してまいりましたが、特に20~40歳までの女性の減少が顕著であり、若い女性にとって住みやすい町づくりを進めることが本町の人口減少対策の重要なポイントでありました。
このような観点から、本町に住んでおられる20歳から40歳までの女性に独身、既婚を問わず集まって頂いて、生活の現場からの声を聞かせて頂きながら、有効的な施策や事業につなげて行きたいとの思いで津和野町女性会議を創設いたしました。
私がまだ30歳代の頃、在籍していた益田青年会議所のまちづくり研修において学んだ、「つぶやきが形になるまちづくり」がずっと心に残っておりました。住民の生活から発せられるちょっとした声(つぶやき)が、埋もれてしまうことなく、有効的であれば行政の施策やまちづくりに活かして行く仕組みづくりが大切であるというものです。創設する女性会議が、長年の私の思いを具現化する好例になることを願いながらの取り組みでもありました。
定員を10名として、1期2年の任期で公募したところ、第1期は9名、第2期も9名、第3期は5名に参画頂き、平成28年から令和4年3月まで、若い女性の視点からみた本町の課題や施策として期待することなどを提言頂き、我々行政や経済界の方々との意見交換を行ってまいりました。
提言を頂いた中からは、〇特定不妊治療の上乗せ助成、〇休日レディース検診の拡充、〇子宮頸がん及び乳がん検診のサービス拡充、〇産後ケアに関わる母親への支援制度の創設など、出来ることから実現していまいりましたが、女性会議の皆さまには非常に意義ある取り組みにつながったことを感謝しております。
メンバーの皆さまにおかれても、会議を重ねるに従い、女性会議が行政に対する課題の伝達や解決策の提言だけに終わらせて良いのだろうかとの自問自答をされるようになり、更なる熟議をされた結果、自らも課題解決に向けた実践を行おうという主体的な方向性へと進まれる英断をされました。
こうした経過のもと、第1期から第3期までの女性会議メンバー有志により「Lady go ~Tsuwano~(以下、略称エルゴ)」が組織され、本町の定住対策の一翼を能動的に担って頂くこととなりました。
令和4年度の活動としては、若い世代の女性が気軽に身近な生活の感想を話す場をつくり、合わせてヒアリングを行いながら住まいや仕事をはじめとする生活に関わる課題等の抽出と分析を行っておられます。
報告頂いた内容は、我々行政の施策や事業に反映させる上で参考となるものでありますが、エルゴとしても来年度に引き続き課題の調査分析に取り組むとともに、課題の解決に向けた実践的な活動を行う計画でもあり頼もしく感じております。
また、情報発信事業として、独自のホームページやSNSを開設し、「女性たちが自分の言葉で語りながら、津和野町の魅力を可視化」して行こうとの取り組みも始められており、来年度以降も継続される計画であります。このことについても、行政だけが定住対策をPRするのではなく、本町に住む若い女性が率直な感想として発信して頂くことは非常に有難いことと思っております。
ただ、そのためにも、つまり町の魅力として良い感想を述べて頂くためにも、若い女性が住みたい町となるように、行政の責任としても課題解決と環境整備により一層取り組んで行かなければならない、そんな緊張感をもつことのできる良き報告会でありました。
「つぶやきが形になる」どころか、「つぶやきを形にして行く」との高い意識を持ったエルゴの皆さまに心からの敬意と感謝を申し上げたいと思っております。