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~島根県立大学と津和野町の繋がりとこれからの取り組み・播本さんインタビュー〜

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~島根県立大学と津和野町の繋がりとこれからの取り組み・播本さんインタビュー〜

 島根県津和野町には、島根県立大学のサテライトオフィスがあり、地域研究のフィールドワーク拠点として学生たちの学びの場となっています。さらに毎月1回、地域政策学部で津和野町を活動拠点として研究をしているゼミ生が主体となり、津和野町で「つわの未来塾」を実施し、町民や町内企業とのディスカッションを行っています。

 今回は島根県立大学地域政策学部准教授の播本崇史先生に、津和野町との関わりや活動内容について聞きました。

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津和野町と島根県立大学の関わりについて教えてください。

 「北東アジア学」の創設を目指した島根県立大学の初代総長・宇野重昭先生が、島根県津和野町出身の偉人・西周(にし・あまね)に着目したのが始まりです。西周は日本に「哲学」を広めたことで知られていますが、その学問領域は幅広く、統計学や社会学などにも精通していました。近代学術そのものの成り立ちに非常に大きな影響を果たした人物だったので、さまざまな分野の研究者が西周に関わっています。ですから、島根県立大学の成り立ちや研究対象として、西周の出身地・津和野町とは深い繋がりがあるのです。

 島根県立大学には「西周研究会」が組織されたのですが、その中心メンバーが島根県立大学(浜田キャンパス)副学長の井上厚史先生でした。井上先生の「井上ゼミ」では地域貢献活動にも取り組んでいて、災害ボランティアや津和野町木部地区の全住民アンケートの実施などもしました。津和野では度々合宿をしていて、宿泊場所が現在の島根県立大学サテライトオフィスの建物2階でした。現在は、株式会社アドレスのオフィスと同社が運営する多拠点居住サービス「ADDress」の物件となっていますが、同じ建物内に島根県立大学のサテライトオフィスも立地しています。

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津和野町に残る西周の生家。藁葺き屋根の古民家は綺麗に管理が施されています

津和野町で取り組んでいる島根県立大学の活動は?

 最近では津和野町の「藩校養老館(※)」で令和4年11月にイベント「ケンダイ寺子屋」を企画運営しました。フリーマーケットを中心に、雑貨や日用品をつくる作家さんの物販、地域内外の飲食出店の「つわの蚤の市」に合わせて開催し、蚤の市に来る子どもたち向けのイベントでした。  

 「ケンダイ寺子屋」は午前2時間と午後1時間半の2回に分けて、大学生が考える「津和野の歴史や文化」を基にした楽しい遊びに触れてもらい、小学生に「津和野への興味や関心を深めてもらうきっかけづくり」を目的に開催。津和野百景図をテーマとした“プラバン”づくりやチャンバラの他、バルーンアートや紙トンボなどの創作遊びを通して、大学生と子どもたちが交流しました。

第1回「ケンダイ寺子屋」の紹介動画(Youtube)

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令和4年11月に行われた第2回「ゲンダイ寺子屋」の様子

 島根県立大学の地域政策学部は、2021年度から「地域づくりコース」が設立されました。地域が直面する課題に対して、自分独自の答えを見出すことができる「地域で生きる自立した」人を育てるのが目的で、社会起業家や経営者の育成を目指しています。私のゼミ生ではありませんが、この地域づくりコースを専攻する学生が、地元の浜田市の「三又温泉」をアピールするために入浴剤入り封筒のデザインを手掛け、地方創生に携わっている事例もあります。

 学生と接していると、地域愛の高さを感じます。もちろん、島根県の活性化自体に関心を抱くようになった県外出身学生もいます。地元を活性化するために、島根県内でのフィールドワークを考えている学生は多いです。

※藩校養老館とは:
津和野藩主亀井氏8代矩賢が天明6年(1786)、「下中島堀内」(現在の津和野小学校裏付近)に創設した津和野藩の藩校です。創設当初は儒学を主として漢学、医学、礼学、数学、兵学などの学科が設けられていました。その後、11代茲監は嘉永2年(1849)に新たに国学や蘭医学を設け、規模を拡大するとともに人材育成に力を入れました。創設時の建物は、嘉永6年(1853)の大火で焼失しましたが、安政2年(1855)に現在地に移転して再建され、明治5年(1872)に廃校となりました。西周や森鴎外(文豪・軍医総監)などを輩出した藩校として知られます。現在は、武術教場(槍術・剣術)と御書物蔵の建物を含む敷地が当時のまま残り、県史跡に指定されています。これらの建物は昭和46年に修復されていましたが、再び老朽化したため、平成27年から全面解体によって保存修理工事及び改変箇所の復元工事を行い、平成31年3月に竣工しました。武術教場内部には、養老館の沿革や、養老館に関わる偉人を紹介するパネル展示を行い、4月から一般公開しています。

これから津和野町でどんな活動をしていきたいですか?

 学生が何を学びたいかにもよりますが、津和野町とは継続的に関わっていきたいと思っています。「地域を知る」ためのゼミ活動が基本ですが、その上でどう地域を盛り上げていくかのアイデアを創出したいです。津和野での活動を、学生の学びに繋げていきたいです。

 具体的なプランをやるとしたら、企業とのタイアップも取り入れてみたいです。津和野で社会的事業を検討する企業さんと、インターンシップ制度などを活用した共同の取り組みができたら面白いですね。もちろん、ゼミ生には津和野町の歴史などをしっかり勉強してもらった上で、実現できるとありがたいです。津和野町に進出予定の企業も含めて、学生との協同事業など、気軽にお声がけいただければと思います。

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2023年1月に実施した「津和野みらい塾」の様子

【参加企業募集】津和野町で進出検討する企業向けの現地視察ツアー

津和野町に本社移転またはサテライトオフィスやテレワーク・ワーケーション施設の立地や開設を検討する企業を対象に、現地視察をコーディネートします。

「都会とは違う地方でこそ、地域の社会課題に寄り添いながら事業を拡大したい。新しい社会事業に取り組みたい」

そんな企業の経営者に、まずは津和野に来て、津和野を見て、津和野を体験してもらいたいと思っています。

現地にお越しになる前に、今後の展望やご要望などをオンラインでヒアリングします。その上で、適切な現地視察のスケジュールを調整し、企業訪問やオフィスや住まいの候補先探し、ハローワークなど人材紹介機関のご案内などを1泊2日の行程で企画提案します。

令和4年もしくは5年度中の早期進出(もしくは進出確定)を検討している企業については、現地視察に関する旅費交通費の補助を行っています。詳しくは下記のエントリーフォームにご記入の上、ご相談事項をご記載してください。

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