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地域医療を考える講演会(令和4年12月1日)

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地域医療を考える講演会を医療法人橘井堂と津和野町の共催により町民センターにおいて開催いたしました。
島根大学医学部より内科学講座内科学第一教授である金崎啓造先生をお招きしての講演会で、「糖尿病はなぜ怖い?治療の目標は?」とのタイトルにてお話し頂きました。

糖尿病の歴史とともに、原因やその怖さについて分かりやすく解説頂き、改めて私たちが生活習慣の中で気をつけなければならない重大さを感じたところであります。
同時に、生活習慣の改善のみで全てが解決するということにはあらず、薬物療法の重要性についても理解を深めることが出来ました。

そして医学の分野において糖尿病診療が進化していること、更には島根県の糖尿病治療が金崎先生をはじめとする関係者のご尽力により、充実してきていることを心強く実感することでき、聴講された多くの皆さまも同じ思いであったと拝察しております。
ご多忙な中お越し頂いた金崎先生に心より感謝申し上げます。

また当講演会では、医療法人橘井堂の理事長である三輪茂之先生より、医療の現状についてお話を頂き、その後、地域枠医師として津和野共存病院において勤務して頂いている本町出身の荒川里菜先生の紹介をいたしました。

そして会の締めとして、津和野町医療・介護統括管理者である益田赤十字病院院長木谷光博先生にご挨拶を頂きました。
木谷先生には、橘井堂の経営や本町の医療に対して貴重なアドバイスを頂いております。
また、益田赤十字病院と津和野共存病院、日原診療所の連携において、重要な役割を果たして頂いており、本町にとって大切な存在です。

今後の本町の医療・福祉に対しても有難いお言葉を頂いたところでもあり、そのお気持ちとご支援に対して深く感謝申し上げます。

本町の医療は、三輪理事長のもと橘井堂職員一丸となって、住み慣れた地域で安心して暮らせる良質な医療・介護の提供を理念とした運営を行って頂き、経営改革が進んでおります。
医師の不足は島根県全体としてもまだまだ厳しい状況にありますが、ここ数年において、これまで待望していた自治医科大学卒業医師や島根大学医学部より地域枠推薦医師等の派遣を津和野共存病院に頂き、組織の若返りが進んでおります。

外科医や産科医、小児科医等の専門医も不足しており、また、橘井堂の経営面から不採算部門を抱えながら幅広く診療科を提供することは、町のバックアップにも限界があり現実として困難です。
限られた人材を効果的に活用して行くために、益田赤十字病院をはじめとした益田圏域での医療の安定的な体制づくりを念頭に、圏域内の病院が連携し、役割分担のもと津和野共存病院と日原診療所が、それぞれの使命を果たして行くことが大切です。

このような観点から、橘井堂では総合診療医及び内科医師に赴任頂くことを最優先として派遣のお願いをしてきたところであり、現在、まだ十分な体制ではありませんが、それでも島根県や島大医学部のご理解とご支援によって、少しずつ安定的な体制に向かいつつあると感謝しております。

また、令和4年3月に津和野共存病院が地域医療拠点病院の認定を受け、これにより町内中山間地域(無医地区)への巡回診療が可能となりました。
これまで試験的に取り組んできた中山間地域拠点施設を活用した遠隔健康相談事業とともに、へき地医療についてもより効率的な方法を取り入れ、充実して行くものと考えております。

今後については、引き続き津和野共存病院の益田圏域での役割のもと、急性期病院の後方支援病院として在宅復帰や在宅療養支援を強化する取り組み、本町の特定健診や保健指導、予防医療など、町民の健康を管理する施設として、地域包括ケアシステムの中核的な役割を担う取り組みを更に強化して行くことを目指しております。

また、将来的には住民の安心な生活を担保するために重要な救急告示の再開を目指すという目標を掲げております。
そのためには、医師そして看護師などのスタッフの更なる充足が必要であり、働き手にとって魅力的な職場環境になるよう町としても橘井堂とともに、努力してまいりたいと考えております。

これまでの歴史において、本町の医療はそれを維持することに険しい道を歩んでまいりましたが、伴って厳しい環境の中でも、医療を守るために働いてこられたスタッフの皆さまの頑張りがあればこそ、今少しずつ改善の方向に向かいつつある現状を迎えられていると心より感謝いたします。

地域医療を考える講演会

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