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〜食を通じて社会課題に取り組む・大江さんインタビュー〜

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〜食を通じて社会課題に取り組む・大江さんインタビュー〜

 津和野町は高校魅力化コーディネーターや地域おこし協力隊など、UIターンの若者が教育事業や地域の地場産業に携わる事例が増えています。また、IT企業3社が津和野町へ進出し、若者雇用を創出しています。

 外から来た人も津和野で生まれ育った地元の人も、一緒に町を盛り上げていけるよう、両者をつなぐコーディネーター的な役割を担う人材は欠かせません。

 津和野へ移住して3年目、町内でも高齢者の多い畑迫(はたがさこ)地区に暮らし、夫婦でレストラン「糧(かて)」を営みつつ、町議会議員としても活動している大江梨(おおえ・れい)さんが、まさにその「つなぎ役」の一人でもあります。大江さんのこれまでの津和野での取り組みや現在の活動について聞きました。

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レストラン「糧」を夫婦で経営し、町議会議員も務める大江さん

津和野町でどのようなお仕事をしていますか?

 大正時代に病院だった歴史的建造物の空き家があり、津和野町が6年前に文化施設を後世に残そうと保存活動をしたのが始まりで、「医食の学び舎」という複合施設としてリニューアルしました。その際にテナントを募集されたので、夫が手を挙げてレストラン「糧(かて)」を開業し、現在は夫婦で経営しています。

 施設の半分は、町営の展示スペースとなっています。「糧」では、津和野で採れる野菜を食べるをコンセプトに、地元食材を活かしたシンプルな調理で野菜だけのビュッフェを提供しています。

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大正時代の建物を活かした風情あるレストラン「糧」

 レストランではありますが、飲食はあくまで「ツール」であり、食を通じて社会問題を考えるきっかけにつながる場所を提供しているという感じです。

 店長の夫はここでパーマカルチャー(パーマネント=永続性、農業=アグリカルチャー、文化=カルチャーを組み合わせた造語で、それぞれが持続可能な社会システムをデザインしていく考え方)の講座をしています。私は夫の勧めで薬膳に関心を持つようになり、薬膳の勉強をしながら、古本市や手しごとイベントも開催したりしています。  

 令和4年5月からは、津和野町の町議会議員としての活動も始まりました。町の議員なので町全体のことを考えていますが、自分がよく分かっていて日々感じている「食」からのアプローチは「ジブンゴト」として取り組んでいます。

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「糧」で提供される野菜を中心としたランチビュッフェ

これまで2年半の移住生活で感じたことは?

 津和野町に移住した直後は、生活支援コーディネーターとして「小さな拠点づくり」に携わっていました。自治会ごとに「地域のつながりについて考える会」を企画して、高齢者の方を対象に地域を回って話題を提供し、住民一人一人の考えを聞く活動をしていました。

 その活動を通して、年配の人たちは「自分達の集落のことは自分たちで考える」というのが当たり前と思われていることを実感しました。いくつになっても地域に役立ちたいと思ってくれています。

 住み慣れた地域で長く暮らしてもらうために、高齢者の人たちに何ができるのかのヒントやきっかけづくり、背中を押す役目をコーディネーターとして担いました。具体的には、週1回集まって皆で体操したり、一緒にお茶を飲んで交流したりする会などの企画提案です。

 議員になってからは、活動報告会などで住民の皆さんとお話する機会に恵まれていますが、地域への想いやアイデアがある人たちとの出合いもありました。

 議員はただ単に、住民の要望を聞いて伝えるだけでは他人事になってしまいます。自ら行動できる住民を増やしていけるよう、背中を押すきっかけづくりが魅力的なまちづくりにつながるのではないかと思っています。

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地域住民が集まった議会報告会の様子

 今、地方創生の先進事例として各地で紹介されているような取り組みの多くは、だいたい20年も30年も前に、津和野でも一通りやっていたことと重なることもあります。たとえば、廃校を活用した宿泊施設や店舗運営だったり、農業体験やジビエ体験などだったり。ようやく世間が追いついてきたという感じがします。地域の高齢者の過去の取り組みに学ぶべきことはありますね。

これからどんな活動をしていきたいですか?

 「糧」は飲食を提供するレストランという枠だけではなく、お客さんとのコミュニケーションを積極的に取っていることもあり、私が勉強している薬膳についてお客さんに伝えていけたらいいなと思っています。メニューに取り入れたり、販売をしたり、新しいことにチャレンジしたいです。

 また、移住者同士をつなぐ交流会「夜糧(よるかて)」のイベントを月1回くらいの頻度でやっているのですが、こちらも継続していきたいです。「夜糧」はもともと夫が始めたイベントで、当初は津和野に来たIターン3〜4名くらいの規模で、定期的に夕飯を食べる会としてスタートしました。

 コロナでしばらく実施を見送った期間もありましたが、ようやく再開したところです。私たち夫婦が移住者なので、私たちにとっても人とのつながりをつくる機会にもなっています。参加者も徐々に増えてきていて、移住者がこうしたつながりの場を求めているのを実感しています。

 そして、「糧」や議員活動を通して、地域内の人と人をつなげて新たなことにチャレンジできる可能性を広げる後押しをしたいです。都会だと街の規模が大き過ぎて全体の仕組みが見えにくいですが、津和野みたいな小さな地域だからこそできることがあると思うのです。

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夜糧でのイベントの様子

【参加企業募集】津和野町で進出検討する企業向けの現地視察ツアー

津和野町に本社移転またはサテライトオフィスやテレワーク・ワーケーション施設の立地や開設を検討する企業を対象に、現地視察をコーディネートします。

「都会とは違う地方でこそ、地域の社会課題に寄り添いながら事業を拡大したい。新しい社会事業に取り組みたい」

そんな企業の経営者に、まずは津和野に来て、津和野を見て、津和野を体験してもらいたいと思っています。

現地にお越しになる前に、今後の展望やご要望などをオンラインでヒアリングします。その上で、適切な現地視察のスケジュールを調整し、企業訪問やオフィスや住まいの候補先探し、ハローワークなど人材紹介機関のご案内などを1泊2日の行程で企画提案します。

令和4年もしくは5年度中の早期進出(もしくは進出確定)を検討している企業については、現地視察に関する旅費交通費の補助を行っています。詳しくは下記のエントリーフォームにご記入の上、ご相談事項をご記載してください。

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