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今日の一枚~鮎しぃしび~

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1カ月程度前の話ですが、ご近所の方から鮎を頂きました。
普通の塩焼きとは違って、炭火で長時間かけてゆっくりと炙るように焼き上げてあります。
硬すぎず、柔らかすぎず、絶妙の焼き加減で、頭から骨ごと食べられます。

「しぃしび」という名前(そう聞いております)で古くから親しまれている料理ですが、最近はコンロで塩焼きにして食べることが多くなり、目にすることがありませんでした。
普通の塩焼きを食べるたびに思い出し、再び食べたいと願うばかりでありましたが、焼きあがるまで時間と手間がかかるため、自ら調理する気力もなかったところ、この度念願が叶い喜びいっぱい、美味しくいただきました。

今、この「しぃしび」を料理できる家庭がどのくらい残っておられるのだろうかと思うと少々不安になります。
自らの努力は棚に上げて、やがてどの家庭でも料理の仕方がわからなくなってしまうままに、忘れ去られてしまっては、郷土料理の大きな損失だと思ってしまいます。

今のうちに、技術を継承しておかなければ大変なことになると危惧するのは私の無知によるところであり、考えすぎであれば良いのですが、事実だとするならば一大事、自らご近所の門をたたき、調理方法を習得したいと思いを新たにしたところであります。

最近は、子どもの頃にご近所から頂いたものや、おふくろの味など、いろんな料理を懐かしく思い出し、郷愁にふけることが多くなりました。
久しぶりに「しぃしび」を頂き、うれしさとともに古き良き料理がなくなって行くかもしれない寂しさを感じたひと時でもありました。

尚、子どもの頃、我が家ではこの「しぃしび」に味噌を頭から尻尾までたっぷりつけて食べておりました。

鮎しぃしび

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