令和4年度の施政方針を公開しています。
施政方針全文は下記ダウンロードからご覧いただけます。
はじめに
令和４年第３回津和野町議会定例会の開会にあたり、令和４年度予算案をはじめとする諸議案の説明に先立ちまして、町政運営の基本的な考え方と主要施策についてその概要を申し述べ、町議会をはじめとする町民の皆様方の深いご理解と温かいご支援をお願いする次第であります。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、世界平和の根幹を揺るがす深刻な事態であり断じて容認することができません。いかなる理由があろうとも戦争は人の命を奪い人類の滅亡へとつながる非道な行為であり、国際秩序の崩壊が私たちの暮らしにも重大な影響を与えかねないとの強い懸念をもっております。最初に、この度のロシアによる軍事行動に対し断固抗議するとともに、ウクライナの平穏な生活が早急に取り戻され、世界平和が確立されることを願います。
さて、地球温暖化による気候変動が世界各地で甚大な災害をもたらすなど、人類の生活に重要な影響を及ぼし始めております。平和というものを戦争という視点とともに、環境という視点からも捉えて行くことが求められる時代になっており、地球環境問題は未来に向けて国際社会を構成する全人類に課せられた責任であるとも言えます。
気候変動の抑制に向けては、２０１５年に合意されたパリ協定をはじめ、世界各国で脱炭素社会の実現に向けた動きが活発化してきております。また、国や島根県においても、「２０５０年温室効果ガス排出実質ゼロ」を宣言され、目標達成に向けた方針を示されております。
津和野町においては、平成２８年に美しい森林づくり条例を制定し、二酸化炭素の吸収及び貯蔵機能を持つ森林の整備を促進する取り組みを行ってきたとともに、本年には木質バイオマスガス化発電事業も開始され、地球環境問題の解決に向けた国際社会の一員としての責任を今後も果たして行こうと考えております。
「先人から受け継いできた豊かな自然環境を次世代に引き継ぎ、将来にわたり持続可能な循環型社会、脱炭素社会を形成するため、国や島根県と連携するとともに、住民、事業者等の皆さまと一体となって、２０５０年までに二酸化炭素実質排出量ゼロを目指す『ゼロカーボンシティ』の実現に向けた取り組みを推進すること」を、本日の施政方針にてここに宣言いたします。
次に、世界的大流行となり現代社会に大きな影響を与えている新型コロナウイルス感染症ですが、２年以上が経過した今も終息の兆しが見えません。国内においても現在では第６波といわれる感染拡大が進んでおり、予断を許さない状況です。この間町民の皆様には、感染症対策として社会活動の制限を様々にお願いしてまいりましたが、長期間にわたりご協力を頂いてまいりましたことを心から感謝を申し上げます。また昨年のワクチン接種におきましても、医療関係者をはじめ多くの皆様のご協力を頂き、迅速かつスムースに終了することができました。現在３回目のワクチン接種を行っておりますが、混乱が生じることなく適正に実施するよう引き続き緊張感をもって対処してまいります。町民の皆さまには今後も感染防止対策を様々にお願いすることとなりますが、ご協力を頂きますようよろしくお願いいたします。
また、感染症が町内経済に与える影響も長期間に渡っていることを考慮するとよりその深刻さが増していると心を寄せて行かなければなりません。現在も国の臨時交付金を活用し経済支援策を実施しておりますが、未だ終息の気配が見えない中で、今後においても、支援のための財源の獲得に取り組むともに、国や県との連携を図りながら町内事業者を守る取り組みに全力を挙げてまいりたいと思います。
そしてコロナ禍においても、住民の営みは変わらず続いており、通常の行政運営においても地方創生の取組みや住民サービスが停滞するようなことがあってはならないと考えております。
本町は平成17 年の合併以来、徹底した行財政改革と財政の健全化に取り組んでまいり、主要な財政指標のうち実質公債費比率は引き続き改善するなど、着実にその成果を見るに至っておりますが、今後も第3 次津和野町行財政改革大綱実施計画に基づいた更なる改革に努めるとともに、地方交付税や過疎債の確保に取り組み、財政の健全化とまちづくりのバランスのとれた行政運営を進めてまいります。
そして、資源の効率的、効果的な配分を意識しながら、少子高齢化に対応した福祉施策、病院問題などの保健医療対策、地域活力を生み出す源となる商工観光や農林業の振興、津和野ならではの特色ある教育、文化の保存・活用、更には道路や上下水道をはじめとする社会基盤整備など、本町が抱える諸課題の解決と地域振興に取り組んでまいりたいと考えております。
以上のような展望の下に、令和4年度における本町の主要な施策等について申し述べさせていただきます。
