八幡宮(津和野町鷲原)は平成23年11月29日付けで、国の重要文化財に指定されています。津和野町では建造物の国指定重要文化財としては唯一です。
八幡宮は、津和野城跡の南西麓に鎮座する神社で、鷲原八幡宮と呼ばれています。
国指定以前は、島根県指定の有形文化財(昭和47年指定)でしたが、津和野町が平成20年~22年度に実施した文化財総合的把握モデル事業の社寺調査で再調査が行われ、改めてその価値が認められました。
建物の特徴
現在の社殿は、16世紀中頃に再建された社殿を基本として、18世紀初頭に手が加えられたものです。社は、本殿、拝殿、楼門の間に池を設けて橋をかけているのが特徴です。
本殿と楼門は、室町時代の永禄11年(1568年)の建築で、細部の様式や技法に室町時代後期の特徴をよく示しています。真ん中の拝殿は、江戸時代の正徳元年(1711年)の建築で、南門に楼門から渡る潔斎橋が付属しています。八幡宮は、本殿と楼門が永禄年間まで遡る県内でも数少ない社殿であるとともに、社殿の構成や翼廊をもつ楼門の形式に顕著な地方的特徴を有しており、中国地方西部における神社建築の展開を理解する上で重要です。
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