ごあいさつ

新緑の季節を迎え、自然の息吹が私たちに新しい活力を与えてくれる喜びを今年も満喫しております。
安野光雅美術館もこの三月二十日で開館八周年を迎え、そして安野先生も八十三歳の誕生日を迎えられました。安野先生は、昨年、菊池寛賞(日本文学振興会主催)を受賞され、美術館を運営する私たち美術館のスタッフや関係者に非常に大きな刺激となりました。安野先生のお名前を頂く美術館の役割はこれからますます大きくなるものと痛感をいたしております。
今年度の展示計画も、ほのぼのとする安野少年の『木のぼりの詩』や多くのファンをもつ『旅の絵本』シリーズの七作目となる「中国編」などの新作を中心に構成し、多くの皆さんに安野作品の素晴らしさを味わって頂けるように企画しております。
また、館外展への協力も行い、出来るだけ、また一人でも多くの方々が安野作品と触れ合える機会を設けたいと考えて現在、他館と協議中ですのでご期待頂きたいと思います。
安野先生ご自身も、今年は前年にもまして、新聞や週刊誌等の連載もあり、テレビ、ラジオへの出演も予定がありますので、私たちも楽しみにしております。
ますます広がっていく安野ワールド、美術館もこれまで以上の企画を用意して皆様のご来館をお待ちいたしております。

館長 大矢鞆音

 

 
  

安野光雅(あんの・みつまさ/1926〜)

大正15年3月20日、島根県津和野町生まれ。子供の頃より、画家への夢を抱く。昭和24年美術教員として上京。教員のかたわら、本の装丁などを手がける。昭和43年、絵本「ふしぎなえ」で絵本界にデビュー。その後、淡い色調の水彩画で、やさしい雰囲気漂う作品を数多く発表。また、美術の世界だけにとどまらず、科学・数学・文学などに造詣が深く、その好奇心と想像力の豊かさで次々と独創性に富んだ作品を発表。その業績に対し、国際アンデルセン賞を始めとする数々の賞が贈られている。代表作「ふしぎなえ」「ABCの本」「天動説の絵本」「旅の絵本」「繪本平家物語」司馬遼太郎の歴史紀行「街道をゆく」の装画。




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