東京都美術館で開催された田中一村展で撮った一枚です。
9月19日から12月1日まで開催されており、東京出張の折に空いた時間を利用して鑑賞してまいりました。
本展は、画家・田中一村の神童と称された幼少期から終焉の地である奄美大島での最晩年の作品までを紹介されたものです。
津和野町立安野光雅美術館の運営でお世話になっている大矢鞆音館長が、同じく田中一村にも深く関わりをもっておられ、一村研究の第一人者と言われる大矢館長を通してその作品にふれて以来、私も大ファンになりました。
私が感激し好きになるきっかけとなった作品は、奄美大島時代のものでありましたが、この度は東京在住や千葉在住の若い時代の作品も数多く展示されており、田中一村の画家としての軌跡を知るとともに、更に愛着を深めました。
私の誤解でおりましたらお許しいただきたいと思いますが、田中一村の評価はその生涯を閉じてから高まったと認めております。
東京都美術館のイベント情報の「世俗的な栄達とは無縁な中で、全身全霊をかけて『描くこと』に取り組んだ一村の生涯は、『不屈の情熱の軌跡』といえるものでした。」の言葉通り、田中一村の画家としての真摯な心が作品を通して私たちに伝わってくるがゆえに、その人生を終えても忘れられることなく脚光を浴びるに至ったと思っております。
特に田中一村を愛し続け、世に知らしめる役割を果たされてきた奄美大島の皆さまに心からの敬意を表したいと思います。
私が、田中一村の作品を愛する理由を素人なりに表現するならば、鮮やかさと落ち着いた色調のバランスにより、心に明るさと哀愁の入り混じった感情が湧きあがり、自分の人生の明暗にオーバーラップする、そんな深みを感じることができるからです。
SNSという場で、素人なりにとは言えど、臆面もなく言葉足らずな表現を発信することを笑って受けとめて頂きたいと思います。
当日は、ごった返すと言えるほど本当に多くの皆さまが来場されており、田中一村の人気の高さを改めて認識しました。
田中一村を愛する理由は人それぞれであろうかと思いますが、奄美大島や大矢館長と同様に私にとってもうれしいことであります。