日原遺族会総会並びに追悼法要が丸立寺で執り行われ、来賓としてお招きを頂き出席してまいりました。
当会は「旧日原町に住所を有し、過去の戦争及び事変によって犠牲となられた兵士又は軍属の遺家族をもって構成し、戦没者の英霊を顕彰し遺族の融和と安全を期するとともに、平和を希求することを目的」として活動を行っておられます。
本年は戦後79年目となりますが、年月の経過とともに戦争の悲惨さ、恐ろしさを身をもって知っておられる方々が徐々に少なくなりつつあります。
平和を願う気持ちは全ての国民が有していると思いますが、今の日本の平和が戦争という痛ましい事実の上に成り立っていることを自らの痛みとしてとらえることができる人々は、応じて少なくなってきていると思われます。
また近年は、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルパレスチナ紛争など、尊い命がいとも簡単に扱われ、失われており、現代においても信じられない惨状が現実として起こっております。
改めて、過去の痛ましい歴史を風化させることなく、新しい時代においても反戦と平和を誓う気持ちを国民が強くもち、世界へ、そして次世代に伝えて行くことをより一層意識しなければならないと考えております。
これまで、遺族会におかれましては、様々な活動を通して国のために尊い命を奉げられた方々の顕彰をはじめ、平和の構築にご尽力をされてまいりました。
また、最愛の肉親を失われた悲しみと戦後の混乱の中で、言いつくせぬ苦痛と闘いながらも、日本の復興と繁栄に多大なる貢献をされてまいりました。
津和野町におきましても、遺族会の皆さま方のご努力により今の平和と安寧な生活がもたらされているとも思っております。
追悼法要に臨み、戦没者の方々の尊い犠牲と、ご遺族の皆さま方のたゆみないご努力の上に築かれた今日の平和と繁栄を、再び失うようなことがあってはならないことを強く意識したところであります。
現役世代として今を生きる私達は、これまでに築きあげた繁栄を次の世代に継承することはもちろんのこと、命の尊さや平和の大切さを永遠に語り継いで行くことを重要な責務として、取り組み続けなければならないと考えます。
戦争を起こさない平和な世界をこれからも継続して行くために、町といたしましても、その責任を自覚し、諸施策を進めてまいりたいと思います。
戦没者の皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。