国立研究開発法人森林総合研究・整備機構「森林総合研究所」による「生物機能を活用した木材の利用~酵素および微生物機能を活用した木材の新しい利用技術~」と題した公開講演会に参加いたしました。
当研究所が平素研究を行っておられる生物機能を活用した木材の新しい利用技術と地域資源を活用したバイオマスエネルギーに関して、研究成果を紹介されるとともに、パネルディスカッションにおいて今後の地域振興に資する利活用の可能性等について拝聴いたしました。
内容について詳細をここに記すことは自粛いたしますが、木材を構成する成分であるセルロースやリグニン等を活用して、「木のお酒」の製造や石油化学製品の代替となる化合物を生産する研究が進んでおります。
これまでの森林・林業の振興は建築材やチップ材としての活用と、そこにバイオマス発電などの新しい取り組みが始まっており、私自身はそこにばかり視点が捉われておりましたが、森林資源を地域振興に利活用する更なる方策として、このような研究が専門的に行われていることを知り、目から鱗の落ちる思いでありました。
森林・林業の今後に大きな可能性を思い抱く勇気を与えて頂いたお話であったとも言えます。
現時点では研究段階であり、実装化に向けてはいくつかの解決しなければ課題も生じているようでありますが、当研究所では「実装化」を強く意識した上で研究を進めておられ心強い思いであります。
「木のお酒」については、安全性や嗜好テストなど商品化に向けた準備がかなり進んでいるようであり、来年の大阪万博では携わっておられる企業による出展も予定されているとのことであります。
当日は、木質バイオマス発電事業の現状と課題をはじめ、当分野においても更なる技術研究等が進んでいることを学ばせて頂きました。
木材の活用と林業振興、そして森林を活かした地域振興に資する研究を行っておられる森林総合研究所に対して深く敬意を表したいと思っております。