高津川漁業振興協議会の通常総会が益田市で開催され、出席をしてまいりました。
当会は、高津川の内水面漁業の資源確保と漁業振興を目的として、益田市、吉賀町、津和野町、高津川漁業協同組合の関係者により組織されております。
令和5年の事業としてはまず、ヤマメを9万尾、モクズガニを1万尾、ウナギを100キログラム放流しております。
アユ資源の増に向けた取り組みとしては、ナガタの瀬における産卵場の造成、カワウによる食害防止対策、10月1日からの全面禁漁の前倒しなどを実施しております。
また、孵化仔魚の成育に適した海水温である20℃以下になる時期に仔魚の流下が始まるよう、電照飼育により成熟を抑制し、産卵時期を遅らせた親魚を放流する事業も実施しており、調査結果からは、流下仔魚の増加について一定の効果を確認しております。
尚、アユの放流については、高津川漁協の事業として、計画の60万尾よりも16万尾多い76万尾を4月から5月中旬にかけて実施されたとのことでありました。
令和5年度の天然アユの遡上状況としては、前年の流下仔魚数が暫定値で15.8億尾(令和4年度より1.7億尾の増)であったこと等から、多くの遡上が見られ、取り組みの成果が出始めているとの報告がありました。
ちなみに昨年の流下仔魚数は、暫定値で21.7億尾とのことであり、更なる増加傾向が認められております。
令和6年度においても、これまでの事業を継続して行く計画となっております。
一時期の資源の大幅な減少に危機感を持ちながら、ご尽力されてきた高津川漁協の皆さまに敬意を表したいと思いますし、資源回復のための調査研究などにおいてご協力を頂いてきた島根県水産技術センターをはじめとする関係者の皆さまのお陰と心から感謝いたします。
資源の回復傾向と言えども、目標とする流下仔魚数は34億尾でありまだまだこれからという状況において、我々行政の立場からも、高津川の財産であるアユ資源の更なる復活に向けて、皆さまと一緒に取り組んでまいりたいと思います。