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「山の宝でもう一杯!」プロジェクト

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『山の宝でもう一杯!』プロジェクト概要

津和野町における木質バイオマス活用のための基盤づくり体制

津和野町では、従来の事業体による林業だけでなく、以下のメニューに基づいて地域住民による山に優しい「小さな林業/自伐型林業」への取組みを進めています。つまり、自分の山は自分で守る体制作りです。

そのための、地域住民による豊かな森林資源を安全に活用するための講習会や研修を平成23年度から毎年開催しています。

大地は預かり物という気持ちで育んだ多層植生の人工林は、単に美しいだけでなく、多様な生物の住処となるので土壌の栄養素も豊富となり質の高い木が育つという相乗効果が生まれます。自分の山を愛情もって保全することは、自分ばかりでなく栄養豊かな水が川に流れ農業のための基盤となりますし、下流域から海までの生物を豊かに育てます。

平成25年7月の豪雨災害に遭った津和野町では、この様な基本的姿勢を再確認し自分たちの手による資源の活用と保全に取り組みたいと考えています。

【高密度路網による搬出体制】

2tトラック、軽トラック、小型林内作業車などが通れるだけの幅員の狭い路網を敷設して搬出の負荷を減らすと共に日常の保全作業も行いやすくなります。このために、高価な大型高性能林業機器を導入せずとも利益の上がる林業を可能とします。

搬出体制のイメージ図

【壊れない作業道づくり】

幅員2m~2.5m程度で路面排水処理を考えた設計を地形に合わせて丁寧に行い、近年のような集中豪雨に見舞わることがあっても壊れない作業道を開設するための講習も開催しています。

自伐型林業を推し進める上で日々山の奥まで入れる必要があります。そのための路網は、必要最小限の幅員巾をもった山と調和する作業道を敷設することが必要であり、人工林を擁する山を守る為には必要です。津和野町では作業道作りの各先生方に学び地域の山を活かすことを目指しています。

作業道づくりイメージ

【土佐の森方式軽架線搬出システム】

NPO法人土佐の森救援隊が編み出したシンプルな架線とウィンチによる機動的な集材、搬出のシステムです。グループで搬出間伐を行う際に非常に有効です。

土佐の森方式軽架線搬出システム

【PC(ポータブルキャプスタン)ウィンチによる機動力のある搬出システム】

ハンディな50ccエンジンの牽引力は1.1t。破断強度が約3tまでの13mmロープを使用してロープ長90mまで牽引できます。この強くて軽く、そして取り回しの良いロープを用い、直引き、索張りなどの様々な方法で自由自在に道の無い山の中を重たい材の移動可能となり、抜き取り間伐に威力を発揮します。 

また、掛かり木の処理にも有効ですし、一人での作業も可能としますので、自伐型林業の取組みの巾を広げる可能性を持っています。

PCウィンチの作業イメージ

 【密度管理講習】京都大学竹内典之名誉教授

人工林の密度管理、混交林への誘導、広葉樹林の造成などの研究者である竹内先生をお招きして森林資源の持続的な管理技術と理論を学んでいます。

竹内先生には、本流にはダムがなく清流日本一に5度も選ばれた高津川流域において、持続的で確かな森林ビジョンを持って活動することをアドバイスされています。

竹内教授との写真 

 【チェンソー講習 伐木講習 目立て講習】

プロも目からウロコの理論的目立て講習をはじめ、チェンソーの基本的運用方法から安全管理、伐木講習を行います。チェンソーは刃物ですから、切れなければ効率が悪いのはもちろんのこと、無理な作業を引き起こし事故に繋がる事にもなりかねません。また、燃料も不要に消費します。

津和野町の副業的自伐林家の方々は、道具の扱いにおいてもプロを超えるスーパー素人を目指しています。なぜなら、道具を雑に扱うタイプの人はトラブルを引き寄せる可能性をもつために、基本的な心構えを身につけることを目指します。

講習の様子

 【「山の宝でもう一杯!」地域住民グループによる林地残材、間伐材活用活動】

土佐の森方式、木の駅プロジェクトに共鳴して、津和野町でも自分の山は自らが整備して活用する取組みを始めました。幸い町内には重量計を持つ木材取扱事業者が2社あるので、直接そちらへ持ち込めばt当たり3,000円~3,500円が支払われ、さらに町からはt当たり3,000円相当が地域通貨券が補助されます。

津和野町では、初年度の平成23年は3カ月間の実証実験を行い、その後の25年までに累積で1,627t(H23:237t、H24:666t、H25:724t)が持ち込まれました。

地域通貨券の取扱い店舗も平成25年には69店舗を数えるまでになり、日頃は躊躇する少し高価な日用品や食料、飲み物をこのプラスアルファの収入で購入できるため活動参加者の励みとなっています。さらに、取扱店にとっても、地域通貨券流通による余剰効果が出るために喜ばれています。

地域を巻き込んだ写真

【林野庁支援事業「森林・山村多面的機能発揮対策交付金」による里山整備事業への住民グループによる参加】

平成25年度より林野庁の3年計画で、規定に則って設立された住民グループに全国で年30億円程度の支援金が用意されており1グループ当たり最大500万円まで交付されます。

このように小規模の所有林の整備に対する林野庁の支援は、森林組合などの林業事業体による森林計画に乗らない山に対して住民の整備の手を届かせるためと、山村地域の活性化を図るものです。

津和野町では平成26年度には10数のグループが取り組もうとしていて、林地残材活用の為の「山の宝でもう一杯!」と併せて、農家の副業としても活性化しつつあります。 

復活する里山

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