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平成25年度施政方針

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はじめに

平成25年第3回津和野町議会定例会の開会にあたり、平成25年度予算案をはじめとする諸議案の説明に先立ちまして、町政運営の基本的な考え方と主要施策についてその概要を申し述べ、町議会をはじめとする町民の皆様方の深いご理解と温かいご支援をお願いする次第であります。

さて、平成21年10月の町長就任から3年を超える月日が経過し、町民の皆さまに与えて頂いた任期4年における最後の年度を迎えることとなりました。これまでの町政運営を振り返りながら、長年に渡って続いている過疎化が想像以上に深刻な影響を町に与えていることを実感しておりますが、合併後の重要課題であった財政再建の道筋において人口減少をくい止めるための地域活性化策を両立させていくことの重要性と困難を伴う現実に常に向き合い、模索しながらのこれまでであったと認めております。

こうした中、これまで政策として仕組みづくりを検討してまいりました町内各集落の維持・活性化を目的としたまちづくり委員会の設置をはじめとする事業がいよいよスタートすることができましたことは意義深い一歩と位置付けております。地域課題の解決と明るく元気なコミュニティの形成、そして住みよい、住みたい集落の再生を図ることは全てのまちづくりの基礎をつくることに通ずるものとして捉えており、合わせて住民と行政の協働のまちづくりの仕組みを構築しながら、新年度においても関連予算等重点的に配分し、一層の推進を図ってまいりたいと考えております。

また、本町には豊かな自然や文化、人情豊かな人々など、全国に誇るべき財産を有しており、これらを守り継承し積極的にまちづくりに活用していくことが本町の発展に不可欠であることは言うまでもありません。こうした中で、昨年度には内閣府において高津川や流域の森林など豊かな自然を活用するべく本町の活性化にとって重要な「森里海連環高津川流域ふるさと構想」特区計画(総合特区)を認定頂きました。そして新年度においては、これまで準備を進めてまいりました国交省関連である歴史的風致維持向上計画が、更には文化庁関連である重要伝統的建造物群保存地区の選定がなされる見込みであり、これらの計画認定は厳しい財政状況のもと、有効的に国の資金を導入できることから本町の今後のまちづくりにおいて重要な前進となるものと認めるところであります。これらの計画に基づき、今後も続く財政再建とのバランスをしっかりと舵取りながら本町の活性化に鋭意努力してまいりたいと考えております。

財政再建については詳しくは後述いたしますが、これまで目標値として掲げ努力をしてまいりました数値を達成することができました。これも議会をはじめ町民の皆様の深いご理解と職員とが一体となって取り組んできた行財政改革の成果の表れと感謝しております。しかしながら、今後の歳入の減少を予測するとき改革の歩みを終える状況には到底なく、これまで準備をしてまいりました行政評価制度や人事評価制度を一刻も早く構築し、改革の精度を更に高めながら、財政再建とまちづくり事業の展開の両立というバランスの取れた町政運営を進めてまいります。
そのうえで、今後も引き続き、資源の効率的、効果的な配分を意識しながら、少子高齢化に対応した福祉施策、病院問題などの保健医療対策、地域活力を生み出す源となる商工観光や農林業の振興、津和野ならではの特色ある教育、文化の保存・活用、更には道路や上下水道をはじめとする社会基盤整備など、本町が抱える諸課題の解決と地域振興に取り組んでまいりたいと考えております。

以上のような展望の下に、平成25年度における本町の主要な施策等について申し述べさせていただきます。

本町の財政状況について

本町の財政状況は、これまでの行財政改革の推進と健全な財政運営に取り組んできた結果、合併時には危機に直面しておりました財政構造から計画より一年早く脱却することができました。主要財政指標のうち経常収支比率が86.9%で前年よりわずかながら0.1ポイント下がり、実質公債費比率につきましても健全化判断基準の18%を割り込み、17.2%と前年度より1.8ポイント改善され、平成24年度決算では16%前後になる見込みであり好転傾向にあります。また、地方債残高につきましても、将来に負担を残さないよう繰上償還を積極的に行い、有利な地方債を活用するなど発行を抑えてきた結果、着実に減少傾向をたどっており、財政調整基金及び減債基金につきましても上積み実施してきております。

しかしながら、現下の経済情勢を反映して、人口減少と景気の低迷から確たる増額が期待できない町税の減少や津和野共存病院の療養病床休床に伴う普通交付税、特別交付税の減額等により確実に歳入が落ち込むものと見込んでおります。本町は、歳入の約54%を占める地方交付税をはじめとする依存財源に大きく左右される状況にあり、3年後の平成28年度には普通交付税における合併特例加算分の段階的な減少がはじまるなど、今後、厳しい状況が予想されますが、本町の均衡ある発展のためにも自主財源である町税をはじめとする歳入の確保に努力してまいります。平成24年度のふるさと寄付金は2月末時点では287件 4,345千円となっております。制度が始まった平成20年度実績と比較いたしますと件数で約50倍と順調な伸びを見せており、昨年10月に立ち上げた「津和野クラブ」の会員増へ向けた取り組みとの連携を図るとともに、同じく昨年より結成された各地まちづくり委員会の財源確保策として連携を模索するなど、一層の推進をしてまいりたいと考えております。また、平成20年度より当寄付金を積み立てた津和野ふるさと基金は15,500千円と一定の金額に達しましたので、今年度より寄付された方々の意向に沿った活用を図ってまいりたいと考えております。

一方、歳出については、急速に進行する少子高齢化に対する扶助費等義務的経費や斎場の増築、町道改良、文化財整備等の投資的経費が増加することに併せ、他会計への繰出金も増加する傾向にあり、平成25年度は財源の一部を基金に頼らざるを得ない状況となり、引き続き行財政改革を進め、限られた財源の有効活用に努めるとともに、新政権の打ち出した日本再生に向けた緊急経済対策における本町への影響等を注視しながら事業を展開してまいります。

本年度予算の基本的編成方針について

新政権によるデフレ不況脱却を掲げた緊急経済対策が打ち出された中での平成25年度当初予算編成においては、景気回復の動きに足踏みがみられ長引く景気低迷からなかなか脱出することができない状況の下、未だ国の動向が不透明であり、自主財源の根幹をなす町税や人口減、単位費用削減による地方交付税の伸び悩みなど一般財源そのものの大幅な増収が見込めないことから、引き続き一般財源を基本とした枠配分方式を採用し予算編成をすることといたしました。平成25年度の重点施策といたしましては、定住対策と健康を柱として特に配慮したところでございます。

なお、配分枠予算を堅持するなかで、事業費や事務量の増減要因を十分検証するとともに、決算監査並びに決算審査特別委員会の審議内容を踏まえながら更なる経費の節減に努め、最小の経費で最大の効果が発揮できるよう成果重視の取り組みを推進し、後年度への影響にも配慮しながら基金や町債を効果的に活用するなど限られた財源の中で、より効率的な行政執行と財政運営の確立に徹する予算編成を基本的な考え方としたところであります。

こうして予算編成を進めた結果、平成25年度の一般会計予算額は、7,212,000千円で、前年度当初予算額7,365,500千円に対し153,500千円の減額、率にして2.1%減、一般財源総額では、5,082,405千円となり、前年度一般財源総額5,258,382千円に対し175,977千円の減額、率にして3.3%の減額予算となっております。

行財政改革の推進について

本町の行財政改革につきましては、平成18年度に策定した津和野町行財政改革大綱実施計画及び集中改革プランに基づき、事務事業の見直しなど改革項目それぞれに推進スケジュールと数値目標を立て、全庁あげて取り組みを進めてまいりました。

今年度につきましては、平成23年度に策定した第2次津和野町行財政改革大綱実施計画に基づき、指定管理者制度導入などによる公の施設の管理運営方法の見直しや町税等収納率の向上など行財政改革の推進に取り組み、行財政基盤の強化と効率的な行政経営を図ってまいります。

行政評価制度につきましては、第1次津和野町総合振興計画に位置付けている事務事業及び町単独の補助事業など全評価対象事業の3/4事業を今年度の評価対象事業として選定し行政評価を実施することとしており、行政評価制度研修会の開催や評価結果の検証などにより職員の意識改革を進め、より精度の高い制度の確立に努めてまいります。

職員の人材育成につきましては、津和野町人材育成基本方針に基づく職員研修の実施や人事評価制度の構築などを柱として、「質の高い行政サービスの提供による住民福祉の向上」の実現に向けて、職員の人材育成を図ってまいりたいと考えております。

住民協働のまちづくりの推進について

住民協働のまちづくりの推進につきましては、平成24年度に町内12地域で組織化されたまちづくり委員会を支援するため、地域提案型助成事業等の支援策を継続して実施することで、地域課題の解決に努めてまいります。

また、今年度も平成24年度に引き続きまちづくりシンポジュウムを開催し、住民に対する情報提供を積極的に行う事で、住民と行政の協働のまちづくりを推進してまいりたいと考えております。

男女共同参画社会の実現につきましては、津和野町男女共同参画計画に基づき設定した数値目標に対する進捗状況の検証を行うとともに、結果を関係各課へフィードバックして目標達成を目指します。また、島根県男女共同参画サポーターや公民館等と連携し住民に対する意識啓発を図り、男女が互いの人権を尊重し個性と能力を発揮することができる社会の実現を推進してまいります。

税収対策について

平成25年度当初予算では、町税677,304千円を計上しております。その内訳は、町民税237,161千円、固定資産税373,320千円、軽自動車税20,823千円ほかであります。平成24年度当初予算と比較すると、引き続く経済低迷により伸びは期待できず、町民税においては、15,084千円(6.0%)の減額としております。また、固定資産税についても伸びが見込まれず9,900千円(2.6%)の減額としており、軽自動車税、たばこ税、入湯税と合わせた町税全体で20,036千円(2.9%)の減額としております。

地域経済は経済不況・労働不況の波の中で、依然として回復の兆しがみえず低迷を続けており、徴収が困難な状況も考えられますが、特に滞納整理につきましては、公正・公平な税務行政を図るためにも法的な措置も含めて真摯な姿勢で取り組み、貴重な財源である町税の収納率の向上を図ってまいりたいと考えております。

住民保護行政について

消費者行政につきましては、詐欺や商品取引上のトラブル、不当請求・架空請求などで町民が被害者とならないために、ケーブルTVや広報などを通じて、的確な情報を提供することにより消費者意識の向上を図りながら、より安全で安心した消費生活が送れるよう、消費者の自立支援に努めてまいります。

人権・同和対策につきましては、人を人として大切にし、それぞれの人格や個性の違いを尊重し合い、お互いが人権を尊重する心豊かな住みよいまちを築くため、学校、地域、職場などにおいて、人権感覚を高めるための啓発活動を中心に取り組みます。 

広域行政の推進について

広域行政につきましては、少子高齢化や人口減少の進行、地方分権の進展の流れの中で、地方を取り巻く社会状況は大きく変わりつつあります。行政がこのような社会状況の変化に的確に対応し、住民サービスの維持向上を図り、持続可能な地域社会を構築するためにも鹿足郡内はもとより益田圏域を含めた関係自治体との連携を一層強め、地域医療体制の整備・充実や幹線道路の整備促進、総合特区、環境問題、情報化、消防など様々な行政課題に対して広域的な視点から効率的な取り組みを積極的に進めてまいります。

総合的なまちづくり施策の展開について

本町のまちづくり施策に関しましては、「第1次津和野町総合振興計画」に則り、「人と自然に育まれ、温もりのある交流のまちづくり」実現のため、引き続き町民の「一体感醸成」を図りながら、「住民参加の協働のまちづくり体制」の構築を行い、諸施策に取り組んでまいりたいと考えております。

尚、第一次津和野町総合振興計画は、合併以来の本町まちづくりの指針と位置づけられるものであり、平成19年度から平成28年度までの10年間を計画期間としております。平成24年度においては前期実施期間にあたる平成23年度までの検証とともに、後期実施に向けての見直しを行ったところであり、今後も計画の遂行を更に図ってまいりたいと思います。
本町は地場産業の衰退と就業機会の不足などを要因として、若者の都会への流出などによる人口減少や少子高齢化の進行、医師不足や限界集落発生への懸念、更には買い物や交通不便対策など、早期に解決すべき多くの課題を抱えております。

こうした中、平成22年度よりソフト事業への充当が認められ拡充されたいわゆる過疎債につきましては、本町の過疎地域自立促進計画に基づき総合的な過疎対策の継続と更なる充実・強化を図る上で大きな期待を寄せており、計画の現実に即した見直しも常に行いながら積極的な活用を図ってまいりたいと考えております。

まちづくり政策の展開に当たっては、幅広く人材を活用し、新たな発想や行動を本町に導入していくべく、積極的な取り組みを図ってまいります。昨年度より総務省の地域おこし協力隊制度を活用し首都圏の大学生を町の職員として受け入れたIFJ(イノベーション・フォー・ジャパン)事業は、これまでの取り組みの検証を踏まえ、今年度からは社会人や東京からの専門家の短期派遣などによるサポート体制を構築し、より効果的な事業実施を図り、新たなプログラム「ファウンディング・ベース・プログラム」として町の活性化に対して更なる成果を生み出してまいりたいと考えております。その他、地域おこし協力隊制度を活用した人材登用は、農林課にて3名、商工観光課にて1名、津和野高校支援に1名を予定しております。

また、まちづくり施策を円滑に展開していく上では、効果的な情報発信が重要と考えております。昨年より開始したサンネットユーザーを対象としたメールマガジンでありますが、企業経営や商売、まちづくりに関わるお役立ち情報を更に充実し、民間活動支援を推進してまいります。定期的な津和野町内の祭事やイベントの情報発信と、会員サービスの特典を付け、昨年10月より会員募集を始めました「津和野クラブ」は津和野町出身者やふるさと納税者、イベントや業務等を通じご縁を頂いた方々を中心として、現在会員数254名で運用を開始しているところであります。会員数としてはまだまだの状況でありますが、今後もホームページやフェイスブック、町外イベントや町内の方々を通じた出身者や知人の方々への働きかけ等を行い、会員数の増大を図ってまいりたいと考えております。そのためにも町内事業者の方々にも参画して頂き、おもてなしの心をもった、より魅力あるサービス提供が拡大できるよう連携を図ってまいりたいと考えております。
また、文京区との相互支援協定やNPO街ing本郷(本郷地区商店会)との連携を機に、民間レベルにおける本町特産品の取引へ向けた機運も出てまいりましたので、継続的な取引の実現と、観光、定住、高校生募集など、津和野町の情報発信の拠点となる営業所開設に向けた調査・検討についても行ってまいりたいと考えております。
以下、第一次津和野町総合振興計画に準じて、施政方針と具体的施策等について述べさせて頂きます。

第一章  ふるさとの自然を愛し住みよい環境をつくるまちづくり

自然環境について

一昨年に発生した東日本大震災は自然の脅威とそれに対する人間の無力さを痛感させられる災害でありましたが、人災ともいえる原発問題も含め、改めて人間が地球環境に敬意をもち、後世につけを残すことのない自然と共生を図った生き方を進めることの意義が問われたとも受けとめております。それはふるさとの自然を守り育てることの意義を再確認させてくれるとともに、やがては本町の振興にとっても貴重な財産となるとのまちづくりの観点からも重要と認めるところであります。

平成25年度におきましても、津和野町エネルギービジョンに基づきましてバイオマス事業に対する取り組みを強化するとともに、太陽光エネルギーの促進等を図りたいと考えております。
地球温暖化対策については、CO2削減に向け事業所や家庭生活における日々の電気や燃料消費量の節減、ごみの減量等による積み重ねが重要であり「津和野町環境パートナーシップ会議」を中心として町民の皆様に行動の輪を広げていただけるよう推進してまいります。

町並みの整備について

景観保全・景観づくりにつきましては、町景観計画に基づき、町内各地域の特性を反映した景観の保全・継承、身近な景観づくり、町民・事業者・行政・関係者の協働推進を目指し、建築行為等に関しての一層の理解を得られるよう努めてまいりたいと考えております。
また、重要伝統的建造物群保存地区保存事業、歴史的風致維持向上計画など役場内各部署が取り組む事業については、横断的な連携の上に立った事業の執行に努めてまいりたいと考えております。

本年度の主な取組につきましては、平成26年度に着手予定のJR津和野駅周辺の整備事業に関する計画の策定、町サイン計画に基づく観光案内版等の計画的な整備に努めてまいりたいと考えております。

環境衛生について

高津川が一級河川水質調査結果において日本一の常連となりつつあることは「森里海連環高津川流域ふるさと構想」特区計画を推進する流域住民、自治体にとって誠に喜ばしいことであり励みにもなっているところであります。高津川の流域すべての河川がより一層美しく、親しみがもてるようにするには、流域全体でゴミの不法投棄や水質浄化に対する住民の皆様と連携しての取り組みが不可欠であり、その方策として津和野地区における下水道整備事業での供用開始区域拡張とともに下水道認可区域外地区での合併処理浄化槽の設置補助事業の推進、更には水質浄化や環境保全に平素から取り組み貴重な活動をされておられる住民、団体への支援をしてまいります。

しかしながら、下水道の加入人口率は依然として低く、下水道効果の向上と健全な事業運営を行うためには加入率の向上が重要な課題となっております。既に供用開始区域となっている地区の皆様には何卒ご理解とご協力のもと早期加入を頂きますことをこの場をお借りし、よろしくお願い申し上げます。

斎場の管理運営にきましては、開設当初から比較しますと利用形態が大きく変わり約7割の方が斎場で葬儀を行っておられます。従来から利用者より要望の強かった利便性の向上を図るため、昨年度造成工事を行い、本年度は式場等の増改築工事に取りかかり、年度末の完成を予定しているところでございます。

道路と交通について

町内における道路の整備や維持管理につきましては、県事業と併せ、効率的、計画的に実施し、町民の皆様の日常生活や産業活動が円滑に行われるよう進めてまいりたいと考えております。
まず、県道等の整備につきましては、改良工事2路線、県営林道開設事業2路線を予定しております。その他町負担金を伴わない事業につきましても、県と連携し整備促進に努めてまいります。

町道の整備につきましては、社会資本整備交付金等、各種交付金事業を活用し、継続6路線、新規2路線の計8路線の整備を中心に進めてまいりたいと考えております。また、日原市街線・旭橋耐震補強調査設計業務並びに橋梁アセットマネージメントシステム維持管理計画の策定を行い、安全面での徹底についても図ってまいりたいと考えております。
交通対策については、町が委託している町営バスや乗合タクシーは、町内の大部分をカバーするまでになってまいりましたが、利便性の向上を更に図るため一部ダイヤを組み換えてスタートすることにいたしました。新規路線としましては、四本松から長野を結ぶ路線を加え、月2回の運行を開始します。

JR山口線は、3月のダイヤ改正が発表され、利用率の低い日中の便を中心に減便運行される見込みとなりました。不便を感じられる利用者もおられることから、町としましても皆様の声を代弁し必要に応じて解決に向けた取り組みを行ってまいりますので、ご意見をいただきたいと考えます。

住宅について

住宅政策は、定住の重要な要件となるものでもあり、若者向け、高齢者向け合わせ、様々な角度から新築、改修を含め検討してまいりたいと考えております。平成24年度より取得した雇用促進住宅は、消防署員の待機用住宅として、あるいは地域おこし協力隊制度にて来町した職員の住宅としてなど様々に活用しておりますが、今後も入居者を増やすべく努力してまいります。
また、平成24年度に策定する公営住宅長寿命化計画に基づき、新年度は青原団地ストック改善工事を行う計画としております。今後も計画に従い順次改善を図ってまいりたいと考えております。

生活用水について

安全で安定した生活用水の確保に向けては、施設の改善や管理の充実に努めるとともに、津和野町簡易水道事業統合計画に基づき懸案でありました福谷地区への給水区域拡張事業の実施と津和野地区簡易水道統合整備事業を推進してまいります。

消防・防災について

自然災害の恐ろしさを見せつけられた東日本大震災を経て、災害に強い安心・安全なまちづくりが全国各地で進められております。風水害等の自然災害の態様も複雑多様化しているなかで、災害から住民の生命・財産を守ることが行政としての最大の責務であると認識しております。災害はいつ起こるか予測することができないため、何よりも重要なことは、被害をいかに小さく抑えるかという減災の視点であり、家庭や地域における取り組みが欠かせないものでありますので、住民と行政が連携して災害に備える防災体制の強化に向け積極的に取り組んでまいります。そのためにも、今後、国や県において示される新たな計画などとも随時整合性を図りながら防災計画を実効性の高い計画にしてまいります。自主防災組織につきましても、さらなる組織結成に向け引き続き支援を行ってまいります。

また、消防につきましては、広域消防及び消防団との緊密な連携のもと予防消防の徹底を図るとともに、地域の防火防災活動の中心的役割を担っている消防団員の技能の向上と研鑽のためにも消防訓練場の整備や消防車両、消防資機材の充実など総合的に強化を図ってまいります。併せて、県並びに広域消防における救急無線デジタル化につきましても引き続き支援してまいります。

地籍調査について

地籍調査事業については、過疎高齢化等を理由とする境界不明地域の広がりを考慮すると、引き続き様々な事業を活用し進捗率を上げて行かなければなりません。
平成25年度事業としては、一筆地調査として相撲ヶ原地区、内美地区、笹山地区を、測量業務として豊稼地区、相撲ヶ原地区、冨田ロ地区を進めてまいりたいと考えております。
また、昨年に引き続きミニ国事業として日原地区を予定しております。

情報通信について

ケーブルテレビ事業につきましては、鹿足郡事務組合に引き継がれて3年目を迎えます。吉賀町を含めた情報共有体制は順調に推移しておりますが、益田市を含めた情報共有につきましても、島根県ケーブルテレビ協議会で構築している連携線の整備を進めながら、双方で番組共有を図り推進してまいりたいと考えております。
携帯電話の不感地域の解消については、平成24年度より町が事業主体となって整備を進めておりますが、ご要望を頂いている残る地域につきましても継続して不感地域解消に向け整備を進めてまいりたいと考えております。

第二章  学ぶ心を育て薫り高い文化のまちづくり

教育文化の振興につきましては、引き続き津和野町教育ビジョンで掲げているスローガン「学ぶ心を育て文化の薫り高いまちづくり」に基づき、次代を担う人材の育成に努めたいと考えております。

学校教育について

学校教育につきましては、平成23年度は小学校、平成24年度より中学校で、新たに改訂された学習指導要領に基づく教育が実施されています。小・中学校で身につける基礎的・基本的な知識や技能の習得と、その活用力・応用力の育成に引き続き努めてまいりたいと考えております。
平成24年度より学校指導主事の県派遣を受け、生徒指導や学力向上対策等への対応に向けて力を入れており、平成25年度津和野町学力向上プロジェクト(TGP25)として、ICT機器の効率的な活用と東京大学との連携による協調学習の実践等、言語活動の充実を図り、学ぶことへの意欲を高める事業を引き続き展開していきたいと考えております。

また、平成24年度より課を横断して取り組んでいる「0歳児からの人づくり」事業も、各部署で出来る取り組みから進めることとしており、先ずは学校教育と図書館とが連携した絵本の読み聞かせや貸し出し事業を中心に、乳幼児期から本に親しむ環境をつくることと同時に、アウトメディア対策にも繋がる取り組みを行ってまいります。

更に、就学前の全児童を対象として、相談支援ファイルを作成・交付し、保護者の子育てへの関心を高めていきたいと考えております。あわせて、新たに出生された乳児に対し、絵本をプレゼントするブックスタートを始めたいと考えとおります。この活動は、早くから本に親しむ機会をつくるとともに、赤ちゃんが絵本を介して保護者との心触れ合う時間を持つきっかけをつくることができ、保護者と子どもとでお互いの情緒の安定に繋がるものと考えております。
平成24年度で作成した郷土副読本(歴史編)を授業に活用するとともに、ふるさとの自然についての興味・関心を持ち、ふるさとへの愛着を高めるため、低学年向けの郷土副読本(自然編)を作成します。

学校図書館の活用につきましては、県の子ども読書活動推進事業を継続し、学校図書の充実を図り、読書活動を積極的に推進したいと考えております。
いじめや不登校等の問題を抱えている児童・生徒に対しては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの活用により、引き続き適切な対応をしてまいりたいと考えております。また、特別支援教育の推進やALTの活用・充実等に努めるとともに、学校給食については、食品の安全性に関心が高まっている中、衛生管理の徹底に努め、地産地消の推進とアレルギー対応食の実施の徹底など、安心で安全な給食の提供に努めてまいりたいと考えております。
また、環境整備においては、引き続いて青原小学校体育館の改築工事を行うとともに青原小学校校舎の耐震化工事に向けて進めてまいりたいと考えております。

津和野高等学校支援係については、平成25年度より教育委員会部局から町長部局に移管し、支援コーディネーターを設置するなど体制強化を図る計画であります。一方で、従来からの町内中学校と津和野高校との間で築いてきた関係を引き続き強めることは重要であり、中学生への学力向上推進事業(土曜塾)、職場体験を中心にしたキャリア教育の推進等、今後も中高連携に取り組みたいと考えております。

社会教育について

社会教育につきましては、地域住民のよりどころである公民館を機軸に身近な学習・交流活動の場、地域課題を解決していく場として公民館活動の充実を図り、地域の拠点としての公民館作りに努めてまいりたいと考えております。

また、地域の教育資源「ひと・もの・こと」の活用や地域住民が学校教育に主体的にかかわることを通じて、地域の教育力の醸成を図るとともに学校、家庭、地域がパートナーとなって子どもたちを育んでいくため、津和野町「学びの協働」推進事業を引き続き推進していきたいと考えています。更に、地域人材の発掘や公民館活動との連動性を高めながら家庭、地域の教育力の向上に努めてまいりたいと考えております。

また、子どもたちが津和野を学び、津和野で活動することを通じ、ふるさとを肌で感じることができるような、津和野体感プログラムの開発に取り組みます。

社会体育につきましては、町民のスポーツへの一層の参加を促すとともに、個々のライフステージに応じた各種スポーツ活動を主体的・継続的に実施できるようにスポーツ環境の整備充実を図り、地域のスポーツ活動の活性化に努める一方で、従来からのスポーツイベントの見直しを検討してまいりたいと考えております。また、町内各種スポーツ団体間の交流を促し、小川地区に設立しました総合型地域スポーツクラブが他地区にも波及することができるよう、該当地区住民の方と一緒に相談をしながら進めて行きたいと考えております。

このほか、図書館事業につきましては、情緒豊かな子どもの育成を目指し、読み聞かせを中心とした読書会活動を展開するとともに、蔵書検索システムの活用により、公民館職員と協力して公民館での貸出事業をより充実・実施し、より身近な場所でのサービスの提供と、利活用の向上に努めてまいりたいと考えております。

さらに、新たに乳児健診等の機会に、絵本の読み聞かせを実施し、保護者への絵本の読み聞かせの仕方等もアドバイスできる体制も検討していきたいと考えております。

文化の振興について

文化財行政につきましては、平成22年度に策定しました津和野町歴史文化基本構想を基本に、鋭意保護・活用に努めてまいりたいと考えております。
津和野城跡につきましては、平成24年度より石垣修理のための調査事業に着手しており、出来るだけ早い段階で整備作業道の工事に着手したいと考えておりました。しかしながら、工事予定地が県立自然公園内にあり、県自然環境課との協議の過程で、整備工事を行うためには、自然環境影響調査を実施する必要が生じたため、先にその調査を実施し、その結果を持って工事に着手することとしております。また、整備工事に必要な石垣カルテの作成に着手したいと考えています。

また、旧堀氏庭園の旧畑迫病院については、解体工事に引き続いて修復組み立て工事を行いたいと考えております。さらに、完成後の活用のあり方について、活用計画策定委員会を立ち上げ具体的に検討してまいります。あわせて旧堀氏庭園の各施設の適切な管理運営を行うとともに、入館者の増に向けた取り組みの一環として、導線への案内看板の設置を行いたいと考えております。

伝建事業については、平成24年度で、重要伝統的建造物群保存地区の選定を受けるよう手続きを行っております。選定後は、指定区域内の建物等の保存整備に係る補助制度を整備し、事業に着手したいと考えでおります。
そのほか、指定文化財をはじめとした文化財や民俗芸能につきましても、これまで同様に保存・活用・継承に努めてまいります。

埋蔵文化財発掘調査事業につきましては、城跡の整備作業道に関連する喜時雨遺跡の発掘調査をはじめ、町内で行われる各種工事に関連するもの、また、文化財保護を目的とした学術的な発掘調査も引き続いて実施し、調査結果につきましては報告書の刊行、現場説明会や発掘速報展等を通じて町民の皆様へ周知するなど、埋蔵文化財の保護への理解を深めていただくよう、努めてまいりたいと考えております。

文化施設のうち、津和野町郷土館については、冬季に新館屋根が雨漏りするなど、施設の老朽化が進んでおり、早急にその改修計画を立てる必要があります。具体的には、国の補助制度を活用するための計画を策定する必要があり、そのための事前調査に取り掛かる考えであります。
また、津和野町民俗資料館および日原歴史民俗資料館については、引き続き今後の施設のあり方について検討をすすめてまいります。

安野光雅美術館は、新作や、初公開の作品を中心に展示を計画しています。また、コンサートやトークショーなどこれまでと同様に文化事業にも積極的に努めてまいります。さらに、安野先生の文化功労者の顕彰を受け、安野先生の作品への関心が更に高まっており、館外展等を通じ本町のPRや美術館の集客にもつながるよう、引き続き力を入れてまいります。平成25年度につきましては、現在のところ4月の明石市文化博物館、7月の佐川美術館をはじめとして、全国で開催するよう調整しているところです。この館外展に併せ、安野先生の全面的なご協力や主催者の協力を頂きながら、安野光雅美術館及び津和野町の観光情報の発信ブースも設置する予定であり、幅広く広報活動を行ってまいりたいと考えております。

森鷗外記念館は、平成7年に国内では唯一の森鷗外先生の顕彰及び研究施設として開館しました。この度の森鷗外生誕150周年記念事業を一つの契機として、今後も、森鷗外記念館協議会の委員の皆様にご協力をいただき、これまでの研究の成果や平成24年度に新たに購入した資料による企画展示をはじめ、鷗外関係資料の収集と調査研究に努めていきたいと考えています。
また、平成24年秋には文京区においても森鷗外記念館が開館したところでありますが、鷗外ゆかりの北九州市も含め、お互いの研究やグッズの販売等、館同士で更に連携した取り組みを行ってまいりたいと考えております。

桑原史成写真美術館は、これまで観光協会事務局が受付業務を行っていましたが、平成25年度途中より事務所移転が予定されており、その後の管理体制の検討を行うとともに、移転された後の空きスペースで、イベント企画等の有効利用を図り、桑原先生の報道写真というテーマと併せ、「記録」という写真が持つ本来の魅力を踏まえた、親しみやすい展示を行いたいと考えています。

第三章  働くことを喜びとし豊かな産業を育てるまちづくり

観光について

平成24年の本町への入込観光客数は119万人、宿泊客数は3万5千人となり、東北地方への旅行の復活や、東京スカイツリーの開業などの全国的な流れの中ではありましたが、島根山口両県の大型観光キャンペーン実施もあり、前年数値とほぼ同数となりました。

しかしながら観光消費に関しましては、長引く経済不況の影響で、必ずしも入込客数を反映しているという実感には程遠いと考えております。

経済情勢や多様な観光振興による地域間競争が激化する中、町観光協会をはじめとする関連団体と幅広く連携を密にしながらこれまでの取り組みを確実に前進させるとともに、「津和野らしいおもてなし」、「観光資源の磨き上げ・発信」、「旅行商品の開発・誘客」など魅力的な観光地づくりを推進したいと考えております。

3年間実施しました「森鷗外生誕150周年記念事業」につきましては、記念イベントや民間の皆さまによる関連事業の実施、メディアでの紹介頻度に恵まれるなどにより、津和野の知名度を相当向上させることができました。さらに鷗外終焉の地である東京都文京区とは相互協力協定を締結し、災害時の相互支援や文化・観光・経済などの交流を進めることとなりました。観光・経済面

おきましては、既に文京区内への情報発信や地酒の取引など具体的に始まっており、今後は区民向けの交流ツアーや区民限定サービスなど具体的な商品造成、誘客に取り組んでまいりたいと考えております。

本年は「SLやまぐち号」が、定期検査期間調整のため5月3日からの運行開始となるため、春休みから4月の間の影響が心配されますが、一方で、本年は山口線全線開業90周年を迎える節目の年であり、4月上旬の記念列車の運行や祝賀イベントをはじめ、通年的な観光利用も含めた誘客対策も実施してまいりたいと考えております。

また本年秋には、太皷谷稲成神社御鎮座240周年の奉祝行事が予定されており、島根県の「神々の国しまねプロジェクト」を活用しながら積極的に町のPR に努めてまいりたいと考えております。
観光情報の発信や町のPR につきましては、観光協会との連携や相互補完をしながらホームページ、facebookなどの地域SNSを活用したリアルタイムでの情報提供を充実させるとともに、町内外から多くの方々に関わっていただき制作した「津和野町イメージアップキャラクター」をあらゆる機会を通じて活用してまいりたいと考えております。

その他広域的な取り組みに関しましては、益田広域圏、島根・山口両県での組織的なキャンペーン等あらゆる機会や事業を活用し情報発信や誘客に努めてまいりたいと考えております。

商工業について

安倍内閣によるデフレ経済からの脱却を目指した経済政策、いわゆる「アベノミクス」により株価の上昇、円安基調など国内経済は期待感も含め活発化しつつあります。
しかしながら、過去の例からもこうした経済政策の影響が地方に及んでくるまでには一定の期間を要しており、地方の実体経済としては景気の回復基調がなかなか実感できないところであります。また、円安局面では原油価格の高騰や輸入原材料の上昇など輸出中心の製造業も含め、地方の企業にとっては必ずしもすべてが有利な状況であるとは言えないと考えます。

本町におきましては地域の経済・雇用を支えてきた製造業・建設業での縮小・撤退や小売業の廃業が続いており、収入の確保、生活用品の購入など日常的な生活基盤の維持に困難をきたす懸念が生じ、このことが定住促進への大きな障壁となっています。
以上のような厳しい環境の中ではありますが、商工団体や事業者との情報共有・連携を密にしながら効果的な各種行政施策を展開し、企業活動の円滑化、雇用の創出に努めてまいりたいと考えております。

具体的には、中小企業金融円滑化法が終了するにともない新たに創設される島根県中小企業制度融資に対する町単独での信用保証料補給金の新設、また従来の中小企業融資利子補給金の対象資金範囲拡大の検討など、金融支援に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
また町単独補助金「個別商業支援包括的支援補助金」により新商品やデザインの開発、販路開拓、人材育成など各企業・商店が独自で取り組む活動に対する支援や、島根県との協調補助事業である「地域商業再生支援補助金」により、空き店舗を活用した商店・飲食店等の新規開業援や買物不便対策などに努めてまいりたいと考えております。

プレミアム付商品券は、過去4年間実施してまいりましたが、この間商工会では消費者、事業者双方からのアンケート調査や業種ごとの売上状況調査を行い、短期間での地元消費拡大のみならず、消費の町外流出防止や町外流出した顧客の引戻し効果など地元商店への波及効果は多大なものがあると認めているところであります。今年度におきましても町内消費の拡大等を図るべく引き続き実施してまいりたいと考えております。

地域特産の津和野ブランド化推進につきましては、4年間の取り組みを通じて都市部のスーパーとの通年取引の実現や、地酒や猪肉、鮎などの新たな取引も始まりました。引き続き島根県ブランド推進課や「町農商工連携ネットワーク」に加え、新たに文京区をご縁とした東京都内商店街組織とも深く連携を図りながら、取り扱い品目や取引数量の拡大に努めてまいりたいと考えております。

2年目に入る「まちなか再生総合事業」につきましては、今年度は伝統的な町屋1軒を「宿泊・体験・交流」などの機能を持たせた滞在型施設として改修・整備し、新たな観光資源としての活用を開始するとともに、ソフト分野に関しましては次年度以降の施設整備へ向けた実施設計、運営システムの充実、新規サービス商品づくりなどに取り組んでまいりたいと考えております。

農林水産業について

我が国の農業は、デフレの影響等により農産物の価格が現状維持または低下傾向と大変厳しい状況にあり、こうした中で農業経営者の約8割以上が高齢者で占める本町において、総来的に担い手の確保をいかに進めていくのかが緊急の課題となっております。
このようなことから、新規事業として、U・Iターン者の新規就農研修者に対する助成制度、農業の担い手、生産グループ等が実施する県補助事業に対して町費の上乗せ助成制度、農産物直売所への野菜安定出荷のための小型パイプハウスの設置助成事業、津和野町内産の米の販売拡大を目的し「津和野米」として実証販売するための経費等を予算計上しております。
これらの新規事業については、従来から農業の重点施策としている(1)農林業生産額向上のための取組み、(2)農業の担い手、新規就農者の確保のための取組み、(3)有害鳥獣被害防止のための取組みに関係するものであり、農家や林家の方々と思いを一つにして、現状の課題を解決すると共に中・長期的な展望に立った農林業施策の展開を図り、食と農のまちづくりを進めてまいります。

具体的な農業生産額向上のための取組みとしては、平成22年度の農産物直売所の売上額を平成27年度までの5ケ年で倍増させるために、栽培講習会や加工講座の開催、野菜等の地元集荷、売場改善のための研修、地産地消コーディネーターの設置等を行うとともに、先に申し上げた新規事業として、野菜栽培用小型パイプハウスの設置助成事業、「津和野米」の実証販売事業を計画しております。

農業の担い手、新規就農者の確保のための取組みは、本町の受入れ環境の整備を目的として、国の青年就農給付金事業の採択、町の基金を活用した新規農林業就業支援事業や津和野町農業担い手施設機械整備事業、町外就農希望者を対象とした農業実践プログラム等とともに、新規事業として、新規就農研修2年目まで生活費の支援を行う農業研修支援事業等を計画しております。

このほか、ヘルシー元氣米栽培における堆肥散布費の助成、農地流動化の助成、地域おこし協力隊の増員等、新規事業として、担い手農家の支援のために、認定農業者、農業生産グループ等が県単独補助事業等により施設等を整備する場合に町費の上乗せ助成制度も創設します。
林業生産額向上のための取組みとしては、山の宝でもう一杯プロジェクト事業及び関連研修、簡易作業路開設、補修のための助成事業、高津川流域木材を使用した新築、改修等住宅に対する助成事業等を行うとともに、新規事業として、町有林資源を有効活用するための林業専用道の新設を行います。

このほか、国の森林整備加速化・林業再生事業や森林整備地域活動支援事業等による森林整備、町林業専用道開設や森林整備のためのアドバイザーの受入れ事業等も計画しております。
有害鳥獣被害防止のための取組みは、国の鳥獣被害防止総合対策交付金事業を最大限活用し、侵入防止柵を整備するとともに国の事業対象とならない施設については、町有害鳥獣被害防止施設整備事業で対応すると共に、シルバー人材センターによる里山整備事業の支援、鳥獣被害対策実施隊の活用、新規狩猟免許取得費や銃所持更新経費の助成、猟友会の活動支援等を継続して実施いたします。

水産業については、鮎をはじめとする水産資源の保全に努めると共に全国アユ釣り大会の誘致や水産資源を活用した商品開発等を支援してまいります。

第四章  助け合う心を大切にし明るい家庭や地域をつくるまちづくり

定住施策の推進について

本町の人口減少は依然として続いており、人口増を望むのではなく、いかにして減少率を少なくするかが現実的な課題であります。そのためには、まず地域産業の後継者育成が近々の課題と考えており、この地域に引き継がれるべき産業を洗い出し、発展させる手段が必要です。

農業体験を通したIターン者による農業後継者育成は、手段の一つとして大切と考え、つわの暮らし推進課を中心にして農林課や他の課と協力して進める必要があります。またU・Iターン者のみの視点ではなく、現在、津和野町で生計を立て、骨を埋める覚悟で暮らしておれる若者のみなさんが今後も安心して定着して頂ける視点からの定住対策にも力を入れてまいります。

また定住対策を昨年度から引き続き重点施策と位置付け、空き家登録情報の公開と物件調査を行っておりますが、昨年から始めた自治会単位で空き家情報を発信していただくお願いに対して、件数が思ったほど伸びていない実情がございます。登録物件の数が増えることによって、定住希望者にとっての選択肢が増え、今以上に定住促進につながるものと考えております。新規の住宅・アパート整備と合わせ住環境の整備に今後も取り組んでまいります。

定住奨励金制度につきましては、より効果を発揮できる制度を目指し、制度改革の検討を続けておりますが、結婚対策、少子化対策等を合わせ、官民協働による事業展開が実現するよう努力いたします。

次に、高齢者の皆様が本町で安心して健康に暮らしていただくことも重要な定住対策と認めております。24年度より着手したまちづくり委員会の設置と地域提案型助成事業は、地域で住民を支え合うための活力あるコミュニティの形成を目的の一つとしたものでもあり、新年度においても更なる推進を図ってまいりたいと考えております。

また、一昨年より重点的な課題として様々に新規事業に取り組んでまいりました健康づくり事業についても引き続き推進してまいります。こうした中で、平成24年度において整備に着手したグラウンドゴルフ場でありますが、グラウンドゴルフは高齢者の方々が気軽に無理なく体を動かすことができ、健康づくりの面から大きな期待を寄せております。また、世代や男女問わず、障害を持つ方でも一緒に出来るスポーツでもあり、楽しくコミュニケーションを図ることによるレクリエーションの場づくりもとなることから、心の健康にとっても大きな効果が得られると考えております。グラウンドゴルフは全町に渡って競技人口が増加していることも鑑み、より身近に楽しめる場づくりを推進する観点から、新年度においても新たなグラウンドゴルフ場の整備を検討し、競技人口の輪を更に広げながら、高齢者の皆様の定住対策を強力に進めてまいりたいと考えております。

益田市と締結した「定住自立圏の形成に関する協定」は、2年目を迎えます。益田圏域の医療連携や地域医療体制の確立・維持を始め、高津川流域の資源を活かす取組みなど、定住自立圏共生ビジョンに沿った事業に着手し、総合特区と合わせた高津川流域の活性化を図りたいと考えております。

保健・医療について

少子高齢化が進行する中、子どもから高齢者までともに元気で安心・安全に暮らして頂くため、町の健康づくりの指針となる「新健康つわの21計画」に基づいた健康づくり活動等は、平成25年度も積極的に取組みたいと考えております。
推進にあたっては、国、県、津和野町で策定されているそれぞれの計画との整合性を図りながら、地域・関係機関・行政が一体となり総合的な健康づくりを目指してまいりたいと考えております。

特定健康診査及び後期高齢者健康診査につきましては、引き続き受診率の向上と未受診者への受診勧奨に積極的に取り組み、健診結果報告会の開催や個別の保健指導を通じ、町民の健康管理の充実を図りたいと考えております。なお、平成25年度より尿酸・クレアチニンを健診項目に追加し疾病の早期発見、治療に努めてまいりたいと考えております。
がん対策につきましては、胃がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん、乳がん、子宮がん検診を実施しております。子宮がん検診については、現在、細胞診検査のみの実施でありますが、平成25年度より細胞内のHPV遺伝子の有無を調べるHPV検査を併用し、検診の精度を高め早期発見に努めてまいりたいと考えております。

母子保健対策につきましては、妊婦通院助成、一般不妊治療費等助成事業を引き続き実施し、経済的な負担の軽減を図りたいと考えております。また、平成24年度まで県が実施をしておりました「未熟児訪問指導」及び「未熟児養育医療給付」の業務については、県からの権限委譲により、平成25年度から町が事業主体で実施をいたします。

地域ぐるみの健康づくりにつきましては、津和野町健康で生きがいのある町づくり会議を中心に、公民館、地区健康を守る会、食生活改善推進協議会等の地区組織と連携を図り、地域住民の参画を得ながら活動を展開・支援し、更なる健康づくりの充実を図りたいと考えております。
地域医療につきましては、指定管理者である医療法人橘井堂が津和野共存病院、日原診療所、老健施設「せせらぎ」、訪問看護ステーション「せきせい」の運営に当って頂いております。医師不足等による厳しい環境の中、医療スタッフの皆様には本町の医療を守るため平素より献身的な取り組みをして頂いており、この場をお借りして改めてお礼を申し上げるしだいであります。

今後は住民のニーズに応じて医療・介護・福祉との一体的な連携を目指す、地域包括医療・ケア体制の構築を進めることが重要であると考えており、地域包括医療・ケアの主たるフィールドである「在宅」を支援し充実させることが、津和野共存病院の機能を活かすことにもつながることから、在宅療養されている方や家族介護者等の生活の質を確保し、切れ目のないサービスを提供できる体制づくりを推進してまいります。

医師確保につきましては地域医療の維持・継続のために引き続き医療法人橘井堂と連携し、関係する大学への派遣要請を行うほか、地元出身者などゆかりのある医師や地元出身医師からの情報収集等あらゆる手段を講じて最大限の努力をしてまいります。看護師等の医療従事者においても 看護大学や専門学校等を訪問し、津和野町の医療現場を語るとともに奨学金制度や住宅環境の説明を行ない、引き続き確保に努めてまいります。また、昨年度より開始した24時間電話健康相談サービス事業、CTスキャナの更新、電子カルテ導入により地域に信頼される医療の質とサービスの向上を図り、更には、近隣病院や鹿足郡医師会と連携し、良質な医療が提供できるよう取り組んでまいりたいと考えております。

住民の救命率向上や後遺症の軽減を目的として、住民の皆様の安全・安心な暮らしをこれまで以上に実現するため、ドクターヘリが運航されておりますが、本年度においては、更なる安全で円滑な運航に資することを目的とする島根県ドクターヘリ臨時離着陸場整備事業を予定しております。

高齢者の皆様が住み慣れた地域で安心した生活を送れるよう支えていくための拠点となる地域包括支援センターとしては、高齢者がみずからの介護予防・健康増進に積極的に取り組むことで、要支援や要介護の状態にならないように支援をしていくとともに、地域とのつながりをもって、生きがいを感じながら、いつまでもいきいきとした生活が送れるように、介護予防をはじめとする有効な事業を展開してまいりたいと考えております。年々増加している認知症高齢者に対応して「認知症になっても住み慣れた地域で、安心して暮らせる地域づくり」を目指し、町民の皆さまのご協力を得ながら本年度も認知症に関する啓発活動や早期受診に結び付けられる支援の充実等を重点的に実施いたします。

また、住民サービスの向上を第一の目的とする保健・医療・福祉の体制整備・充実のために、各業務において蓄積されている個々の情報を共有化し、活用するシステム事業(仮称:医療・介護・包括統合データーベース構築)を予定しております。

福祉等生活支援対策について

生活支援対策についてでありますが、未だリーマンショック以降の急激な景気低迷による地域経済及び雇用環境の悪化が回復しておらず、また、高齢化の進展、離婚率の上昇から生活保護受給者は、増加の一途を辿っております。更には、生活保護を受給する一歩手前のいわゆる「ボーダーライン層」も増加しており、早急かつ適切に対策をとり町民の不安を解消しなければならないと考えております。

こうした支援の中でも、生活保護制度は、最後のセーフティネットとして適正に運用され、十分に機能することで、より町民の信頼と理解が得られると考えます。また、従前から取り組んでいる就労支援に加え、生活能力や就労能力に課題を抱えていることで、就労に至っていない方々に対して、様々な社会体験の機会の提供など就労意欲の喚起につなげるなどの取り組みをハローワーク等と連携しながら進めてまいりたいと考えます。

本町における生活保護については、申請件数については確実に発生しているものの、一方で高齢者の死亡による廃止や施設入所に伴う廃止、町外への移管等もあって、都市部に見られるような急激な増加はなく、むしろ微増から横ばいといった状態が続いている現状で、平成24年12月末現在の生活保護受給者数は53世帯、66人(7.89パーミル)となっております。

また、本町における今後の保護動向については、新規の申請はあるものの高齢者世帯が実に保護受給者の約62パーセントを占めていることから、昨年同様の傾向が継続するものと見込んでおります。生活保護業務は、経済的に厳しい状況であるからこそ、保護の目的である最低生活の保障と世帯の自立の観点から一層適正かつ厳格に実施していく必要があります。昨今の権利意識の高まりやプライバシー保護への配慮、保護受給者の多様化といったことから、事務所としてもより複雑な対応を求められることが予測されるところです。              

生活支援係ではこうした状況に対応するために、国や島根県等の主催する各種の研修等への参加によって職員の研鑽を図るとともに、継続して社会福祉主事の資格取得に努めております。また、警察や民生児童委員、社会福祉協議会等の関係する各種機関、さらには、嘱託医、保健師、包括支援センター等町内部の関係部署とも連携した対応を行うことによって補保護者の支援の充実を図り、一層の町民福祉の実現に努めてまいる所存でございます

高齢者福祉について

介護保険制度の開始当時に比べ、介護度が軽度の方を中心として要介護(要支援)認定者数は急増しており、今後も高齢者人口の増加により介護保険制度の利用者は、増える見込みであります。このため、保健、福祉、医療等関連分野の間の連携を深め各予防関連事業の相乗効果を発揮できるようにするとともに、地域での町民の自主的な健康づくり活動を広げていく必要があると考えます。

本町の高齢化率は、平成25年1月末現在 42.6%で、一人暮らしを含む高齢者のみの世帯が増加しており、家族がいても昼間は高齢者が一人になってしまう家庭も多く、家庭における「見守り」や「介護力」が低下しており、町民一人ひとりが心豊かに暮らせるまちづくりの実現に向けて、町民の皆さまとの協働や関係機関・団体等との連携のもと、多様な福祉サービスを展開することが必要となっております。

「食」の自立支援事業、すなわち配食サービスにつきましては、                                   加齢に伴う心身の衰えや障害、疾病などの理由で、食事の準備が困難な方に対し、栄養バランスと健康状態に配慮した食事を、居宅にとどけるとともに、利用者の安否確認をし、健康状態に異常が見られるときには、関係機関等への連絡を行なうサービスを、継続してまいりたいと考えております。

慣れ親しんだ地域で、ミニデイサービスを実施することにより、生きがいを持ち自立した生活の維持を図る目的で実施している地域住民グループ支援事業「お達者サロン」は、閉じこもり傾向にある高齢者の社会参加を促し、日常生活の維持・改善を図ることも大切にすることからも継続して実施してまいります。

65歳以上の一人暮らし高齢者や重度身体障がい者等に緊急通報装置を貸与し、急病や緊急時に迅速かつ適切な対応を図る事を目的として実施している緊急通報システム設置事業については、ケーブル電話の告知端末の活用や、従前の機材を継続してまいります。
高齢者の社会参加と生きがい対策については、地域に根ざした社会参加活動や生きがいづくり、地域を豊かにする活動、健康づくりを進める活動を行なっておられる「老人クラブ」の活動支援や助成に努めてまいります。

高齢者の就労対策事業として、おおむね60歳以上で就職が難しい方、一般の就職は望まないが経験や技術を生かして社会に役立ちたいと望む方々が集まる団体である「シルバー人材センター」の活動に協力し、高齢者の就労活動支援と生きがいづくりの増進に努めてまいりたいと考えます。

医療バスについては、医療機関に通院する方について、復路の町営バス等乗車券についての助成制度の継続をしてまいります。
「温泉利用助成」についても高齢者等の健康増進のため引き続き実施してまいりたいと考えております。

障がい者福祉について

障がい者支援についてでありますが、障がいのある人、障がいのある子どもを取り巻く状況は、年々大きく変わりつつあり、障がいの多様化の傾向が見られます。更には、社会情勢の変化や価値観の多様化、障がいのある人とその家族の高齢化が進むとともに、人間関係の希薄化や核家族化をはじめとする家族形態の変化により、介護、支援機能が低下しているなど、更なる取り組みが求められております。

そのような中で、本年4月からは、つわぶきの里が障害者総合支援法が適用される就労継続支援B型事業所への移行がなされるとともに、また、障がい児支援施設が町内において設立されるなど前向きな取り組みもなされはじめているところであります。

障がい者福祉については、「障害者総合支援法」の制度により、障がい者がその能力や適性に応じ、自立した日常生活・社会生活を営むことができるよう、必要な支援を行うものであります。具体的には、障がいの種類(身体・知的・精神)にかかわらず、共通の制度により福祉サービスや公費負担医療を提供するものであります。また、制度の安定的な運用を目指し、サービス利用者を含め、みんなで支えあう仕組みを取り入れており、利用者は原則として利用料の1割を負担することになっておりますが、世帯や本人の収入によっては負担が軽減される制度となっております。町としてもこれまで、それぞれの障がいに応じた支援制度を実施しておりますが、これからも引き続き継続してまいりたいと考えております。

また、聴覚障がい者の利便性を高めるため、引き続き本庁舎に手話設置を行い手話講座や手話通訳業務を引き続き実施してまいります。また、手話派遣においても、引き続き緊急時にも対応できるよう実施してまいりたいと思います。社会参加の促進については、養護学校卒業生等の受け皿作りとして、就業支援組織、益田公共職業安定所との連携を図ってまいります。

その他、あゆみの里にも地域活動支援センターとして委託し、精神障がい者、知的障がい者の方々を中心に日中活動の憩いの場として提供していきたいと思います。地域生活支援については、日常生活に必要な用具の給付等の助成に努めてまいります。在宅支援へのサポートとして、ホームヘルパーの派遣支援等に努めてまいります。精神障がい者へのサポートについても、保健師の健康相談、医療通院助成について支援してまいりたいと考えます。

日中一時支援、生活介護による施設への受け入れについても、利用者の状況に応じた、支援をしてまいりたいと考えます。腎機能障がい者への支援については、引き続き、通院助成を継続してまいります。
福祉タクシーについては、重度の障がいをもつ方で、通院やバス利用が困難な方に対して、町内でのタクシー利用料金の一部を助成する制度を継続してまいりたいと考えます。

児童福祉について

児童福祉は、要保護児童の保護、救済といった限定的な制度から、すべての児童の健全な育成へとその対象について変遷を辿ってきましたが、これからは社会・経済状況の変化や価値観の多様化等を背景として、子育てを社会全体で支える視点からの制度の充実が必要であり、すべての家庭において児童が健全に育成されること、児童を生み育てやすい社会環境を整える事を主眼とした施策の一層の推進が求められております。

また、小家族化や核家族化が進み、祖父母や兄弟姉妹の子育てへの参加が期待できなくなり、家庭での子育て機能が脆弱化しつつある中、近隣関係の希薄化によって子育て家庭の孤立の問題も生じております。

このように「少子化」が、社会問題化する現状を踏まえ、国、県同様に少子化対策を町の重点施策として位置づけ、諸施策を実行してまいらなければならないと考えております。

保育園においては、平成24年度において、「津和野町立保育所、児童館整備ガイドライン」を作成したところでありますが、本年より保育園のあり方にそった統廃合について、検討に入る考えであります。

子育て支援事業については、津和野子育て支援センター、日原子育て支援センターの2箇所体制を継続し、子育ての相談業務等を充実したいと考えております。

放課後児童クラブについては、津和野・日原小学校の2クラブ体制を維持していきます。開所時間、対象学年については、県下の状況、必要性、利用率とコストを踏まえ検討してまいります。周辺の小規模小学校の児童については、保育園における学童保育を、本年度も継続していきたいと考えております。開設時間、対象学年については、放課後児童クラブとあわせ、検討いたします。

また、国の子ども・子育て支援新制度の施行に向け、平成26年度にかけ、市町村の「子ども・子育て支援事業計画」を作成することとなっております。今後示される国の方針に基づき、子育て家庭のニーズ調査等、当町の計画作成の準備を進めてまいります。遺児手当については、母子家庭に加え援助の少ない父子家庭対策も含め、継続実施したいと考えております。また、児童手当、父子家庭に対する児童扶養手当の実施についても国の制度に遅れることなく支給し、子育て家庭の経済的援助を実施していきたいと思います。

人権・同和教育について

人権・同和教育につきましては、21世紀が「人権の世紀」といわれながら、今なお多くの問題が残されております。この問題の解決は行政の責務でありますので、あらゆる差別の解消に向け積極的な啓発活動を推進し、差別のない明るい町づくりを進めるために、人権・同和教育町民意識調査を実施し、今後の町の人権・同和教育の方向性を定めたいと考えております。

第五章  多くの人々と交流し開かれたまちづくり

国際交流の促進について

昨年2月の津和野高校の生徒を中心とした訪問団派遣や、ベルリン森鷗外記念館での「鷗外にちなんだ津和野の写真展」、加えて小規模ではありますが町の特産である豆茶やわさび、清酒などの取引が民間レベルで始まったことは、津和野町とベルリン市ミッテ区との新たな交流のスタートであり、意義深いことであると考えております。

今年度もこれらの交流を継続し、推進してまいりたいと考えており、そのひとつとして外交機関が密集するヒロシマ通りで初めて開かれる市民祭において、津和野町としてPRすることをミッテ区よりご案内頂いておりますので、積極的に対応してまいりたいと考えております。
また、津和野高校魅力化へ向けた取り組みのひとつでもあります高校生同士の交流につきましても、津和野高校にコーディネーターを配置することなどを通して、更に進展させてまいりたいと考えております。

ベルリンとのご縁から町営バスのラッピングとして採用するなど、津和野とベルリンの懸け橋のシンボルとして採用しているキャラクター「アンペルマン」でありますが、その後も大手旅行代理店のHIS社や全全日空がキャンペーンキャラクターとして採用するなど、日本での認知度がアップしてきております。今後も大手企業へのアプローチを行うなど、津和野観光の課題の一つである若年層に対する認知度の向上に努めてまいります。そして、観光協会や民間主体で取り組んでいただいております町の特産品等の取引やコンサート企画など、関連する活動に対しても引き続き支援をしてまいりたいと考えております。

特別会計について

特別会計につきましては、各会計ともに高齢化などにより、厳しい運営を強いられておりますが、特別会計設置の本来の目的に沿い、適正かつ効率的な事業運営を図り、健全な財政運営に努めてまいります。
 
以上、町政運営に関する私の所信の一端と主要課題等の取り組みについて申し上げました。

平成25年度は、機構改革を行いこれまでのまちづくり政策課、営業課、地域振興課を一つに統合し「つわの暮らし推進課」へ、健康保険課と福祉事務所を一つに統合し「健康福祉課」と改め、重点施策である定住と健康を一層進めるべく体制強化を図る計画です。一方で、単に組織を改めるだけでなく、職員一人ひとりが意識と使命感を持ち一丸となって職務を遂行することにより真の意味での改革が行われるものと信じております。

そのうえで、変わらず厳しい財政状況の下ではありますが、町民の皆様の声に謙虚に耳を傾け、皆様の主体的、積極的な参加を前提に、町民と行政が一体となって事業を進める協働のまちづくりを推進し、本町の新たな発展のために最大限の努力を傾注し、全力で町政運営に取り組んでまいる決意でございますので、町議会をはじめ町民の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げ、平成25年度の施政方針といたします。

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