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津和野町に新しい働く場をつくる〜つわの暮らし推進課インタビュー〜

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津和野町に新しい働く場をつくる〜つわの暮らし推進課インタビュー〜

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つわの暮らし推進課の佐伯さん=津和野町役場津和野庁舎正面玄関にて

 150年前の街並みが今も残る町「津和野」。山陰の小京都と呼ばれ、緑の山々に囲まれた赤い石州瓦の集落が目を惹き、どことなく懐かしさを思い起こす歴史ある町には、国内外から数多くの観光客が訪れます。高層ビルや国道沿いに大型チェーン店が立ち並ぶ都市部のにぎやかさとはほど遠く、だからこそ都会とは異なる魅力を放つ非日常的な環境を求めて、人は津和野を目的地とするのかもしれません。

 津和野町には令和4年(2022年)現在、3つのIT企業が立地しています。また、11名の地域おこし協力隊と11名の高校魅力化コーディネーターが津和野にUIターンし、多くの若者がまちづくりや教育事業に携わっています。令和3年度(2021年)には、調査依頼初めて子育て世代である30~40歳代の社会人口(※注:転入と転出の差によって生じる人口の増加)が増加に転じました。

 しかしながら、全国的な地域課題でもある若者人口減の傾向は津和野も例外ではなく、そうした時代や社会の変化に合わせて、人と人、人と企業が繋がり経済を支え合う「働く環境の場づくり」には、一段と力を注いでいる地域でもあります。「働く環境の場づくり」を担い、企業誘致などの事業を主導する津和野町役場の「つわの暮らし推進課」の主任主事・佐伯晃さんに、町のビジョンや取り組む内容についてお話を聞きました。

つわの暮らし推進課では、どんな取り組みをしているのですか?

 企業誘致に関する事業の他、まちづくり、移住定住、総合政策、エネルギー、広報・情報発信など6つの事業に8名体制で取り組んでいます。もともと「営業課」「地域振興課」「まちづくり政策課推進課」という3つの課が統合され、「つわの暮らし推進課」となりました。企業誘致から広報・情報発信まで、やっていることは本当に多岐に渡りますが、それぞれが独立しているようで、実は相互に連携しているのです。

 たとえば、企業を誘致する際には、オフィスを開設する地域もいずれかの自治区に属するので、「まちづくり」事業における各自治区の取り組みも見据えながら立地候補を紹介する必要があります。また、進出する企業の社員の住まいを確保するために、「移住定住」と連携して空き家をご案内することもあります。
 企業誘致のような「働く場づくり」の創出においては、「総合政策」の策定部門との連携ももちろん必要になります。津和野町が目指している政策と、誘致する企業や事業がマッチするのかどうか、という視点です。実際に企業の進出が決まれば、雇用施策支援や立地協定の発信をするために「広報・情報発信」事業に相談・依頼します。

 このように、各事業は一見独立しているようですが、相互に連携をしながら業務を進めないと成り立たないのです。だから、津和野町では業務の効率化を考えて、「つわの暮らし推進課」として6つの事業を一課が担うことになりました。

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つわの暮らし推進課の豊田さんと打ち合わせをする佐伯さん(右)

これまでどんな企業が津和野町に進出したのですか?

 令和3年度(2021年度)には、株式会社アドレス(本社:東京都千代田区)が津和野オフィスを開所しました。自社が運営する定額制の多拠点居住プラットフォームサービス「ADDress」の津和野A邸に併設された津和野オフィス(津和野エリア)に、カスタマーサポートやカスタマーサクセス部門を立ち上げました。全国各地の会員が津和野に滞在しに訪れています。中には何度も津和野に訪れる会員もいるそうです。

 平成26年度にはバルトソフトウェア株式会社(本社:大阪府大阪市)が津和野開発室(津和野エリア)を開所しました。自動券売機等の駅務関連開発や電光掲示板等の交通関連開発など、ソフトウェア開発事業を行っています。バルトソフトウェア株式会社のオフィスは築60年以上の空き店舗を改装し、従来の姿を活かしつつモダンなテイストを取り入れたオフィスです。

 また、平成27年度には株式会社Nex-E(ネクシー/本社:津和野町)がコールセンターを開設しました(日原エリア)。道の駅「シルクウェイにちはら」の敷地内にある「高津川清流館」の1室を事業所として活用しています。コールセンター業務の他、地域住民のITリテラシー向上を目的とした研修事業も行っています。

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津和野へ進出した株式会社アドレスのスタッフ=ADDress津和野オフィスにて

津和野町は企業誘致を通して、どんな未来像を描いていますか?

 都市部から企業を誘致し、新たな雇用をつくることで津和野町の活性化につなげたいと思っています。これまで津和野町にはなかった、IT企業の誘致を目指しています。津和野町は農業や林業も盛んですが、職種のバラエティを増やすことで働く環境の多様化を図れればと思っています。

 IT企業の働く場は、インターネットさえつながっていれば、大規模工場のような大きな家屋は必要なく、観光名所の街なかや緑豊かな自然に囲まれた古民家もオフィスとして利活用ができます。ただ、コロナ以後の企業のテレワーク化が拡大している現在、必ずしもオフィスを立地するのがゴールではないとも思っています。たとえ「拠点」を津和野町に移さないとしても、テレワークなどを通して津和野町に住みながら働き続けられる場を創出したいと思っています。 ワークスタイルは社会が変化すれば変化するものです。そうした変化に、津和野町も対応し、雇用の機会を増やす取り組みを推進していきたいです。

 津和野町には令和4年度現在、地域おこし協力隊員が11名、高校魅力化コーディネーターが11名います。高校魅力化コーディネーターとは、県立高校と地域をつなぐコーディネート機能を担っている存在で、地域社会と関わる教育課程の企画・運営・支援を行う人材です。津和野町は特に教育に力を入れている地域で、津和野高校は「しまね留学」制度で県外在住の生徒の受け入れも行っています。全国的にも人気のある高校で、毎年入学希望者が増えています。でも、津和野町には大学がないので、進学と同時に生徒たちは町を出てしまいます。高校生活を津和野町で過ごし、進学でまた都市部に戻ってしまう卒業生が、青春時代を過ごした「第二の故郷」である津和野町に、Uターン就職できる機会をつくれないかと考えています。

 そこで、津和野町では今年度より津和野高校生卒業生を対象に、「県内高校生とのつながり創出モデル事業」を開始しました。津和野高校では「県内高校生とのつながり創出モデル事業」を立ち上げました。この事業にて卒業生とつながる公式LINEアカウントを開設し、そこで津和野町の企業の取り組みや採用情報を発信する予定です。

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津和野で働きたいUIターン者向けに、住まいの支援はありますか?

令和3年度から住宅支援事業に取り組んでいます。

この支援制度は、空き家の利活用を目的としているのですが、空き家を所有若しくは買い取ったオーナー向けに、上限1,200万円(補助率8割)まで改装補助を出します。ただし、工事の条件としては耐震補強と水回りの整備は必須で、利活用時には2人以上の世帯へ月額3万円以内の家賃で貸し出してもらうことが条件となります。綺麗にリノベーションされた家に、家賃3万円以内で住めるので、移住希望者から大変好評です。空き家の利活用も進み、今年度(令和4年度)もオーナー向けの補助枠は上限に達しました。

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住宅支援事業の制度を活用してリノベーションした空き家

佐伯さんの経歴と佐伯さんがイチオシの津和野の魅力を教えてください。

 私は1980年に津和野で生まれ、津和野で小中高と育ちました。同志社大学経済学部への進学を機に津和野を出て、大学卒業後は証券会社に8年間就職し、東京、横浜、愛媛で勤務をしました。家庭の事情で津和野へUターンをすることになり、津和野で仕事を探している中で公務員採用試験に合格し、平成24年(2012年)4月から津和野町役場に転職をしました。最初に農林課に8年間在籍した後、つわの暮らし推進課に異動となり今年度で3年目となります。

 津和野町は観光地でもあるので、景観もイベントも魅力的です。
 日本遺産に認定されている「津和野百景図」をたどる街歩きはオススメです。津和野百景図とは、最後の津和野藩主・亀井茲監の業績をまとめた「以曽志乃屋文庫」とともに亀井家に納められた文書の一つです。藩主の側に仕えた栗本里治が藩内をめぐり、名所や風俗、食文化などをスケッチして約4年の歳月をかけて百枚の絵を描き、詳細な解説を加えてまとめました。昔の景観や文化を記した「津和野百景図」は、令和の今もなお当時の名残を残しており、百景図をたどって町を歩いてみると、100年以上前の姿を残した変わらぬ光景にきっと驚かされると思います。

 鷲原八幡宮に現存する日本最古の馬場で行われる、流鏑馬神事も見応えあります。多くの観光客が訪れるイベントです。日本五大稲荷の一つである「太皷谷稲成神社」も是非訪れてほしいですね。神社は高台にあるので、津和野の町が一望できます。

アクティビティとしては、星や天文学に興味があれば、年中開催されている観測会やイベントなどを楽しめる「にちはら天文台」をオススメします。また、身体を動かしたい人は、山頂に立つ津和野城跡経由の中国自然歩道を約2時間歩くトレッキングコースの他、清流として有名な高津川での釣りやカヌーなどの川遊びを提案したいです。道の駅「シルクウェイにちはら」から川下りイベントも実施しています。

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【参加企業募集】津和野町で進出検討する企業向けの現地視察ツアー

津和野町に本社移転またはサテライトオフィスやテレワーク・ワーケーション施設の立地や開設を検討する企業を対象に、現地視察をコーディネートします。

「都会とは違う地方でこそ、地域の社会課題に寄り添いながら事業を拡大したい。新しい社会事業に取り組みたい」

そんな企業の経営者に、まずは津和野に来て、津和野を見て、津和野を体験してもらいたいと思っています。

現地にお越しになる前に、今後の展望やご要望などをオンラインでヒアリングします。その上で、適切な現地視察のスケジュールを調整し、企業訪問やオフィスや住まいの候補先探し、ハローワークなど人材紹介機関のご案内などを1泊2日の行程で企画提案します。

令和4年度中の早期進出(もしくは進出確定)を検討している企業については、現地視察に関する旅費交通費の補助を行っています。詳しくは下記のエントリーフォームにご記入の上、ご相談事項をご記載してください。

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