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今日の一枚~桜

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今年も町内各地で桜がきれいな花を咲かせております。
特に高津川沿いに咲く桜は、清流の景観とマッチして、豊かな自然と春の素晴らしさを感じさせてくれます。

写真の場所は地元である旧左鐙小学校前です。
高津川沿いにはもっと写真映えするスポットもあるかと思いますが、普段見慣れた景色の四季それぞれの彩りを楽しむことができる喜びを感じながら撮影しました。

この場所に立つと、子どもの頃の思い出がよみがえってまいります。
大きな岩の手前の水溜りでは、石の下に隠れているビワコバエという魚を手でつかんで獲り、小学校の担任の先生が甘露煮にしてくれたものを食べた美味しさが今でも忘れられません。

岩の前を流れる本流の少し下側では、よく鰻を獲っておりました。
学校で使わなくなった下敷きと廃材を利用してお手製の箱をつくり、小学校の授業が終わると一目散に帰って川魚のハエを釣り、それを箱に餌として入れ、この場所に仕掛けておくと、翌朝うまくいけば鰻が入っております。
仕掛けた箱を挙げ、中を確認する時のワクワク感と獲れていた時の感動は、良き思い出として心に残っております。

ダムの無い一級河川として有名な高津川ですが、その昔、地元の左鐙地域がダム建設の候補地になったことがあるという話を先祖から聞いてまいりました。
結果的にその計画は無くなりましたが、もし実現されていたならば、私が育ち、ずっと見続けてきたこの光景は無いものであったと言えます。

美しい景観は暮らしに潤いを与えてくれます。
そして美しい景観はそこに住む人々の暮らしと文化があってこそ守られていると思いますが、暮らしを文明の発展とともに進化させていこうとする過程においては、時に景観を犠牲にしてしまうこととの選択を迫られることもあります。

高津川を舞台に育ってきた私は、古来よりこの地で生活を営んでこられた人たちによって守られてきた高津川の素晴らしい文化的景観を、未来に対していつまでも守り続けて行きたいと願っておりますし、今を生きる責任であるとも思っております。

吉賀町から津和野町、そして益田市まで延長81kmに及ぶ高津川。
地元左鐙で私が見る光景と同じように、流域住民の多くの皆さまがそれぞれの地において、慣れ親しみ愛着をもつ高津川の場面が存在すると思います。

これまで本町として、吉賀町及び益田市と一緒になり、多くの住民の皆さまのご協力を頂きながら、高津川の美しい景観を守る活動を行ってまいりました。
変わることのない清らかな流れと四季折々に多様な彩りを醸す景観が、私たちにこの地で生きることの希望を与えてくれる高津川を、これからも愛し、守り続けてまいりたいと思います。

今日の一枚~桜

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