つわのみんなの上映会として、映画「百姓の百の声」の上映と製作された柴田昌平さんを交えての意見交換会が開催され、参加してまいりました。
主催は、「つわの百姓塾」と「食と農と環境を考える会」で、つわの百姓塾10周年の記念事業としての位置づけでもありました。
一次生産者の高齢化が進む津和野町において、今後の本町の農業はどのようになって行くのだろうかとのテーマのもとで、「わたし達のたべもの」について、生産者に限らず子育て中の親御さんはじめ多様な方々に参加して頂きながら、一緒に考えようという主旨にて開催されております。
映画では、タイトルの通り全国各地で農業を頑張っておられる方々が取り上げられておりました。
創意工夫の上で、逆境を跳ね返しながら自立されている農家の活力あふれる明快な声の数々は、日本の食糧が信念をもった素晴らしい方々に支えられていることを実感し、頼もしく感じました。
参加された農家の皆さんにとっても、勇気づけられる思いであったものと拝察しております。
意見交換会では、町内にU・Iターンにて新規就農され、自立を始められている3人の農家の方々と消費者の立場から町内のイタリアンレストラン「ピノロッソ」のオーナーシェフである赤松健二さんが登壇され、柴田昌平さんとつわの百姓塾創設メンバーの一人である永田寿秋さんの進行により、本町の農業や食にまつわるトークが繰り広げられました。
新規就農からの困難を乗り越えながら本町においてしっかりと根を張り農業を軌道に乗せておられる3人の方々のお話は、私にとってもかけがえのないものであったと言えます。
つわの百姓塾は、開会のご挨拶をされた田中幸一さんら4人のメンバーで始まり、これまでの10年間に、新規就農者として本町にU・Iターンをされた農家の方々に対して、研修会の開催や技術指導などを先輩農家として行ってこられました。
また、農業はもとより慣れない土地での生活面での不安や悩みに対してもアドバイスを送るなど、きめ細かい対応を頂いてもおります。
自らの経験をもとにした新規就農者への懇切な対応は、私たち行政の立場では限界があり、本町での就農者の定着に重要な役割を果たして頂いたと感謝しております。
それは全国でも稀な好事例として、誇れるものとも認めております。
農業を取り巻く環境は厳しいものと日頃から言ってしまいますが、この度の映画で登場した前向きでたくましい農家の方々や、本町で立派に自立され地域の集落を守るリーダーともなっている先輩農家の方々の前では、そんな言葉を発することが恥ずべきことであるかのようにも感じます。
今後、つわの百姓塾を通して、本町の頼もしい先輩農家に続く元気な方々がどんどんと増えてほしいと思っておりますし、そうした方々を応援する行政であり続けなければならない、そんな気づきを頂けた素晴らしい会でありました。