1000年に一度、とまで言われる未曾有の東日本大震災から、この3月11日で5年の歳月が経過した。
 死者、行方不明者が18,000人を超えているとされる惨事は、現代の日本にとってまことに大きな悲劇である。
 ぼくは2011年3月11日の津波の襲来から約20日後の3月下旬に震災地の岩手県宮古から宮城県、そして福島県で起きた、原発事故(東京電力)に隣接した同県の南相馬市まで取材で走った。その年(2011年)の秋にも復興の状況を撮影する機会があった。
 震災の復興は、岩手、宮城両県の災害地の再建だけでは語れない、二次災害とも言える福島の原発事故がある。こちらの取材にはしばしば足を運んでいる。
 かつての住民たちの帰還が困難な区域が現在でも5町村もある。被災時の人口を合わせて記述する。浪江町(2万905人)、飯館村(人)、双葉町(6,932人)、大熊町(1万1515人)、富岡町(1万6001人)、である。昨年夏に帰還が可能になった楢葉町では7,700人がいたが、今までに帰った住民は年齢の高い人たちの976人とされる。これらの町村は福島第1原発から5〜20q余の圏内である。高濃度で被爆の恐れのある放射線量は、若年層の人たちとって不安な生活環境といえる。それに職場や病院また商店の無さが帰還を阻んでいる。

                                        報道写真家 桑原史成

 本館は、日夜変貌をとげている国内外のさまざまな出来事を、写真を通じて身近に紹介する場として設置されました。
 その主旨にそって、写真は、一瞬の出来事から忘れてはならない歴史の痕跡までを忠実に記録している報道写真という分野を、本町出身で、報道写真家として第一線で活躍されている桑原史成氏の写真を中心に展示しています。
 私たちの記憶の奥に埋没している歴史の一コマーコマを、来館者の皆さまが、展示写真からその記憶に再現していただけたら幸いです。
桑原 史成写真
桑原史成
くわぱらしせい
        

 
 第1期展 「大震災から5年−岩手・宮城・福島」
H28.3.18〜H28.6.9
6月10日は作品の入れ替えのため休館します。

SHISEI KUWABARA MUSEUM OF PHOTOGRAPHY