本館は、日夜変貌をとげている国内外のさまざまな出来事を、写真を通じて身近に紹介する場として設置されました。
 その主旨にそって、写真は、一瞬の出来事から忘れてはならない歴史の痕跡までを忠実に記録している報道写真という分野を、本町出身で、報道写真家として第一線で活躍されている桑原史成氏の写真を中心に展示しています。
 私たちの記憶の奥に埋没している歴史の一コマーコマを、来館者の皆さまが、展示写真からその記憶に再現していただけたら幸いです。

桑原 史成
くわばら しせい
 
 
桑原史成写真展 第2期

『激動韓国』
-日韓国交修復から60年-

2025.7.18~2025.10.15
※休館日:木曜



                                                   ©桑原史成 1965年
 桑原史成写真美術館の今回の展示は『激動韓国』を展示します。
 日本と韓国の国交修復は、度重なる紆余曲折の折衝の末
1965622日に調印にこぎつけた。それから今年で60年の節目を迎えた。
 
修復が難航した背景には、かつて日本が36年にわたって植民地化してきた不幸な歴史があることは否めない。日本からの有償、無償の5億ドルと幾多の企業への技術援助は、韓国経済を急速に発展させることになった。
 
いま、大卒で企業に就職した新入社員の初任給は、日本の場合より高額と言われる。自動車、造船、そして半導体など世界の経済に占めるシェアは大きい。
 
1965年には、もう一つ大きな出来事があった。ベトナム戦争に韓国軍(2個師団と1旅団)が約8年余にわたって派兵されたのである。韓国は、一言で軍事大国と言っても過言ではない。一方で朝鮮半島の分断は、日本の敗戦時からで今年は80年の節目を迎える。南北朝鮮の統一民族の悲願であるが、実現と展望は容易には望めない。
                          報道写真家 桑原 史成
SHISEI KUWABARA MUSEUM OF PHOTOGRAPHY