平成17年度展示スケジュール
年間テーマ「絵とイマジネーション」

春期展 H17.3.11〜6.8 休館日 H16.6.9(木)



「世界の唱歌」(歌の絵本II)から

 この作品は、「歌の絵本−日本の唱歌より−」の続編として、音楽家・芥川也寸志氏の選曲した歌と、その歌の情景を表した安野の絵とともに構成された一冊の絵本として制作されたものです。
 18点からなる作品は私たちが幼い頃から親しんできた「野なかのばら」や「蛍の光」などの歌を題材にしています。目にした風景をありのまま描いた風景画とは異なり、童話の世界を想わせる柔らかな雰囲気の作品からは、歌の中に息づいている物語が感じられます。
 作品は、水彩画を基調にクレヨンの淡くかすれた線でメリハリを持たせてあり、安野の作品の中でも、他では見ることが出来ない描き方がされており、安野作品の新たな一面をご覧いただけることでしょう。
 また、夏期展示以降も「歌の風景」(前期・後期)、「歌の絵本−日本の唱歌より−」と会期毎に作品を入れ替え、安野が日本、世界で歌い継がれてきた歌の世界を描いた作品を展示する予定です。



「ふるさとの風景−津和野・安曇野から−」

安野が描いた国内の数多くの風景画の中から故郷「津和野」と「安曇野」の風景を展観します。
 安野は日本の風景について「山紫水明という言葉があります。日本はその言葉通りに、美しい自然に囲まれていました。たとえば、何処へ行っても段々畑がありました。これは一朝一夕にできるものではなく、名前もわからない先祖が遺してくれたものです。」と述べています。
 また、そうした子どもの頃からからだに馴染んでいる風景を「原風景」と呼んでいます。日本で山野に向かい絵筆を握っているときの安野は「『絵を描いている』という意識があまりありません。原風景の中に包まれて、良い気分になっている、そういう風景の中で過ごした、子どものころのような気分」だと言います。
 そのように描かれた作品は、ヨーロッパを描いた風景画とはまた趣が異なり、当地を訪れたことのない人も懐かしさを感じられる情景あふれるものになっています。



「季節の草花」


わたしたちは、季節の移ろいを路傍の草花や樹木の変容で感じることがあります。そんな身近にある草花を安野は好きだと言います。
 今年度は安野が描いた「野の花と小人たち」「みちの辺の花」シリーズから約20点ずつ季節毎に作品を替えながら展示します。



「蚤の市」


 1983年に童話屋から出版された絵本の原画で、24点の作品で構成されています。蚤の市では、いろいろなものを売っています。生活用具に趣味の品、蒸気機関車もあれば交通標識まで売られています。一見がらくたのようなものばかりですが、売る人も買う人も眺めている人もみんな楽しそうです。よく見ると、安野の絵本を読んでいる子どもたちも描かれています。



「文字を考える絵本」(前期)


 「ABCの本」と「あいうえおの本」から原画を6点ずつ展示します。各文字のデザインのおもしろさ、その文字から始まるものの絵を楽しむだけでなく、文字を囲む枠に隠されたいろいろなものを探し出す喜びもあります。安野の創造性あふれる文字の世界をお楽しみください。