〔平成16年度 安野光雅美術館 展覧会〕

 開館3周年企画として、第1、2期は新作「日本の原風景−津和野・明日香−」をメインに、第3、4期は最新作「旅の絵本II−デンマーク編−」(予定)をメインに展示を行っていきます。
 
 年間テーマ:開館3周年企画 「安野光雅 絵のある人生」

第1期
 会期:平成16年3月12日(金)〜平成16年6月9日(水)

     会期中休館日:なし
     開館時間:9:00〜17:00

 ・第1展示室  70点程度
  展示ブース1 「日本の原風景」 50点程度
  展示ブース2 「空想の繪本」  20点程度

 ・第2展示室  36点
  展示ブース1 「もりのえほん」 17点
  展示ブース2 「ふしぎなたね」 19点


「日本の原風景」

 安野は日本の風景を描くことについて、「思い出の風景は、方言に似て、いつしか心にしみこみ、わたしたちの感性を育てたのです」と述べています。この度の展覧会出品予定の作品は近年描かれた日本の風景に絞り構成し、目を閉じると脳裏に浮かぶ故郷に通じるような風景ばかりで、懐かしい心象を受ける作品です。
 安野光雅が、今まで描いてきた外国の風景とは、また趣の異なった風景画の魅力に触れることができることでしょう。


「空想の繪本」
 絵のモチーフは私たちが日常目にするよく知っているものです。それらの絵は実に写実的に描かれているため、一見何の不自然さも感じませんが、よく見ると間違いがあります。それは対象をリアルに描き、その上で空想と連想により、ユニークで不思議なものに変化させているからこそ、見る者を不思議な気分にさせるのです。
 安野はこのような絵を描いていた頃を思い出し、見ている人に謎をかける楽しさがあった、と語っています。そのような安野の遊び心が伝わってくるようです。


「もりのえほん」

 この作品に物語はありません。丹念に描かれた森の樹木に淡い緑色で着色された作品は、一見、森の中に茂るただの樹木が描かれているように思われます。しかし、目を凝らしてよく見ると、樹木の隙間や草むらの中などに森に住む動物たちの姿が見えかくれしているのがわかります。
 この作品の大きな魅力は、自ら「発見」する一種の驚きを経験できることです。このよろこびのために発行以来、年齢を問わず、多くの人々に親しまれ続けてきたのです。


「ふしぎなたね」
 安野が関心を持っている分野のひとつに数学があります。その数学の世界を表した作品に「美しい数学」シリーズなどがあります。
 作品「ふしぎなたね」もその中のひとつで、「自然が美しいように、数学も美しい。そのはずなのにこの頃は、入学試験と、それに適応しようとする教育のためか、数学は誤解されて、ひどい嫌われものになってしまった。でも本当は、だれかさんのように、美しい。昔は女神にたとえられたくらいだった。その姿をのぞき見るために、私達の本が少しでも役に立つといいのだけれど」との安野の思いからつくられました。